ITを活用した企業経営やサービス展開をする際には、AWSというクラウドサービスが役立つと聞いたことがあるという人も多いでしょう。ではAWSを導入する企業は、どのような点を評価しているのでしょうか。
この記事では、AWSが企業に支持される理由についてわかりやすく解説します。導入の課題も説明しているので、AWS導入について検討してみてください。
AWSとは
AWSとは、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。正式名称を「Amazon Web Services」と言い、次のような機能をインターネット上で利用できます。
- サーバー
- ストレージ
- データベース
- ネットワーク機能
- ソフトウェア(開発ツール)
- AIツール
- セキュリティ
また、有名なサービスとしては、仮想サーバーを提供する「Amazon EC2」、大容量のストレージを提供する「Amazon S3」などがあります。
柔軟性・速度・信頼を満たしていることから、大企業はもちろん、新事業を展開するスタートアップ企業などもAWSを導入して事業を展開しています。
AWSが企業に支持される理由【なぜ人気?】
クラウドコンピューティング市場で圧倒的なシェアを誇るAWSですが、なぜ多くの企業がAWSを選ぶのでしょうか。ここではAWSがもつコスト効率、柔軟性、信頼性といった魅力を含め、企業に支持される7つの理由を詳しく解説します。
【理由1】初期費用無料で導入できる
AWSの魅力のひとつは、初期費用が不要である点です。
自社でサーバーを管理する従来のオンプレミス環境の場合、サーバー購入やデータセンター設置などに多額の初期投資が必要でした。対して、AWSは準備費用をかけることなく、利用開始を可能できます。
導入のハードルが低いため、 中小企業やスタートアップでもリスクを抑えるほか、導入に時間がかからないため、すばやく運用できるのが魅力です。
【理由2】使った分だけ支払う従量課金制が採用されている
AWSは、使った分だけ費用を支払う従量課金制が採用されています。
例えば、トラフィックが増加した場合にはリソースを追加して費用を多く支払う、オフシーズンにはリソースを縮小してコストを最適化することが可能です。
必要なリソースだけを購入する仕組みなので、余剰投資の防止、また、規模の拡大・縮小に合わせたコスト計画を立てられるようになります。
【理由3】継続的に値下げされている
AWSは、利用者数の増加に伴い、徐々にサービス利用料金が値下げされている状況です。
例えば、AWSは2023年3月までに129回以上の値下げが行われました。競合他社よりも安くサービスを利用しやすいことから、予算の関係でクラウドコンピューティングサービスに手を出せないという方も安心してAWSを使い続けられます。
【理由4】ITリソースを柔軟に変更できる
AWSは、拡張性に優れた設計が可能であり、次のようにITリソースの増減を柔軟に実施できます。
- ビジネスの拡大に合わせてリソースを拡張する
- ビジネスの縮小に合わせてリソースを削減する
- キャンペーン期間中の一時的な需要増加に即応する
従来のサーバーやデータベース利用では、上記の柔軟性がなく、最大リソースでの支出が発生し続ける必要がありました。そのため、不要な固定費に課題を感じているという点が、企業に大きく支持されています。
【理由5】すばやくITリソースを用意することでチャンスを逃さない
AWSを利用すれば、数分で必要なリソースを構築できます。
例えば、スタートアップ企業が開発した新しいアプリケーションをテストする際、ひとつのサービスをつくるためだけに高額な設備投資をせずに済みます。
アイデアをすぐに形に変えられることはもちろん、成功するか判断することが難しい実験的なプロジェクトでも低リスクで実行できるのが支持される理由です。
【理由6】業務の属人化を防止できる
AWSを利用すれば、企業で起こりがちである次のような業務の属人化を防止できます。
- 利用しているツールのノウハウがひとりに集中する
- 各従業員が自流の整理の仕方をしている
対してAWSは、マニュアル化により、特定の担当者だけが業務に対応するといったリスクを回避しやすくなるのが魅力です。自動化されたサービスやツールも豊富に用意されているため、少人数でも大規模なシステムの運用が可能となります。
【理由7】日本語サポートを受けられる
アメリカに本社をもつAmazonのAWSですが、国内企業向けに日本語サポートを提供しています。
技術的な問題をすばやく解決できることはもちろん、日本語ドキュメントや学習リソースも充実しているため「海外のサービスだから…」と不安を感じることなく利用できます。
AWSの導入に対し企業が抱える課題
複数のメリットがあるAWSですが、導入や運用においていくつかの課題が伴います。
特に企業が注意すべき3つの主要な課題を整理しました。
【課題1】専門人材が不足しがち
AWSを効果的に活用するには、専門的な知識とスキルが必要です。しかし、企業の多くではクラウドやAWSに精通した人材が不足しているケースが多く見られます。
その影響もあり、適切なインフラ設計ができないことで、パフォーマンスの低下が懸念されます。
トラブル対応に時間がかかり、業務が停滞するリスクもあるため、社内の技術者をAWS認定資格(AWS Certified Solutions Architect)などでトレーニングするか、マネージドサービスプロバイダー(MSP)やAWSパートナー企業のサポートを活用するのがおすすめです。
【課題2】継続的に費用がかかる
AWSは従量課金制のため、初期費用を抑えられる一方で、次のように利用が増えるとコストが予想以上に膨らむことがあります。
- 定期的なコスト監視を行わないと無駄な支出が発生する
- サービス利用が増えた場合にオンプレミスよりも高額になる
必要以上のコストを出さないためにも、AWS Cost ExplorerやAWS Budgetsといったサービスを使い、コスト管理を徹底するのがおすすめです。
また、定期的に利用状況を見直し、不要なリソースを停止・削除すること、リザーブドインスタンスやスポットインスタンスを活用し、コストを削減するといった方法を実施することで課題の解決を目指せます。
【課題3】セキュリティ対策が欠かせない
AWSには高いセキュリティを提供していますが、適切な設定を行わないと次のように脆弱性が生じる恐れがあります。
- アクセス制御の不備によるデータ漏洩
- サイバー攻撃やランサムウェアへの対策不足
AWSを使ってセキュリティ対策を実施したいなら、AWS IAMを利用して適切なアクセス権限を設定したりデータの暗号化(S3やEBSでの暗号化を有効化)したりと、複数の対策が可能です。
顧客情報やサービス情報を守るためにも、AWSのセキュリティサービスの利用も検討してみてください。
AWSを導入している有名企業
具体的にどのような企業からAWSが支持されているのかを知る参考として、以下にAWSを導入・運用している有名企業を整理しました。
- Netflix|動画ストリーミングサービスにフル活用
- Airbnb|予約データベース管理・運用に活用
- Spotify|Amazon EMRを利用してプレイリストやレコメンデーション機能を運用
世界的に利用されているサービスも、AWSを利用しています。大手企業も利用する安心サービスですので、サービス利用に不安を感じている人も、安心して利用できるのが特徴です。
おわりに
AWSはコスト、サポート品質、機能の拡張性といった面で、多くの企業から支持されています。ただし、導入する際にはいくつかの課題解決が必要です。
自社で解決できない場合には、Amazonのサポートを受ける、開発会社に委託するといった方法を利用できます。AWSを使ってサービス展開、システム開発を実施したいなら、ぜひプロからアドバイスをもらいながら開発・運用を実施しましょう。