手書きや印刷された文字をデジタルデータに変換できる「OCR」の普及率が高まるなか、人工知能を搭載した「AI-OCR」が話題となっていることをご存じでしょうか。
AI-OCRは文字の認識精度が高く、帳簿など多様なフォーマットに対応していることから、業務の生産性向上に寄与します。また、より生産性を高める方法として、AI-OCRの自社開発も可能です。
本記事では、AI-OCRの性能と導入する魅力を紹介します。あわせてAI-OCRを自社開発するメリットも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
AI-OCRとは
AI-OCRは、画像内のテキストを人工知能が識別し、デジタルデータに変換する技術です。手書きや印刷された文字を読み取り、編集可能なテキストフォーマットに変換できます。
また、AI-OCRは人工知能の機械学習の仕組みを活用して、さまざまなフォントやスタイルに対応できるのが特徴です。文書のデジタル化、自動フォーム処理、アーカイブ検索などの多岐にわたる用途で活用されています。
最近では、99%以上の文字認識精度を誇るAI-OCRも誕生しており、フォーマット変換のミスを減らせるのはもちろん、複雑で読み取りづらい文字も簡単にデジタル化できるようになりました。
OCRとAI-OCRの違い
OCRもAI-OCRと同じくテキストをデジタルデータに変換できる技術です。しかし、2つの性能の違いがよくわからないと悩む方も多いでしょう。参考として、OCRとAI-OCRの違いを下表にまとめました。
OCR | AI-OCR | |
AIの搭載 | AIを搭載していない | AIを搭載している |
テキスト変換機能 | テキストをデジタルデータに変換できる 保存したデータの収集・編集ができる |
テキストをデジタルデータに変換できる 保存したデータの収集・編集ができる |
文字認識精度 | くずれた文字は認識できない 異なるフォーマットの文書の読み込みはできない |
くずれた文字でもAIで認識できる フォーマットが異なる文書でも読み込みできる |
学習機能 | 学習機能はない | AIの学習機能により使用するほど精度が向上する |
RPAツールとの連携 | 連携できない | 連携できる |
導入コスト | 初期費用:100,000~200,000円 ランニングコスト:15,000~30,000円 |
初期費用:0~300,000円 ランニングコスト:0~300,000円 (※クラウド版は初期費用が0円になる場合がある) |
AI-OCRは人工知能による機械学習の仕組みを活用しているため、OCRでは読み取れなかった殴り書きのようなくずれた文字も認識できます。またAI-OCRは使用すればするほど精度が向上しますが、人工知能を搭載していないOCRは精度が向上せず、毎回同じ品質の読み取りしかできません。
AI搭載の有無で性能が驚くほど変化するため、品質を求める人にはAI-OCR、リーズナブルさを求める人にはOCRをおすすめします。
AI-OCRを導入する魅力
AI-OCRはコスト削減やヒューマンエラーの防止に繋がり、AIの機械学習を活用して長く運用できる技術です。
参考として、AI-OCRを導入する魅力を3つ紹介します。AI-OCRの3つの魅力を参考に導入を検討してみてください。
手書き文字をデータ化できる
AI-OCRは人工知能が搭載されていることにより、高い精度で文字を認識し、次のような手書きデータをデジタルデータに変換できます。
- 筆跡が異なる手書き文字
- 殴り書きのような認識困難な文字
- 網掛け文字
- 白抜き文字
- 透かし文字
- 斜めに傾いた文字
人工知能を搭載したAI-OCRは、OCRで認識困難だった形のくずれた文字なども高い精度で認識が可能です。また、AI-OCRは帳簿や資料などのフォーマットにも対応しており、枠線などを無視して文字だけを抽出できます。
AI-OCRを活用することで、データ入力や文書管理などの業務コストを削減できることから、企業が抱える人力作業に伴う人件費の増加を解決しやすくなるのが魅力です。
深層学習により文脈を調整できる
AI-OCRは深層学習を活用することで、複雑かつ難解な文脈を理解し、正しい文章へと調整できます。
深層学習とは、大量のデータから複雑な特徴を学習する機械学習のひとつです。仕組みが複雑であるため、わかりやすくAI-OCRが文脈を調整するまでのステップをまとめました。
- 手書き文字や印刷文字のデータを収集
- 収集したデータの前処理(ノイズの除去、正規化、サイズ調整)
- 文字の形状、線の太さ、カーブなどを認識
- 文字の意味や文脈を理解するための内部表現を構築
- 文書内の文字列や単語の文脈を分析
- 文脈分析を通じて認識結果を調整
- データへの出力
また、深層学習はエラーを自己修正する能力を持っており、使用するほどエラーを学習して文字認識精度を高められます。
RPAツールと連携できる
AI-OCRは、人間のルーチンワークを代行できるRPAツールと連携でき、より業務の効率化を図れます。「RPAツールと連携したら何ができるの?」という方のために、連携するとできるようになる機能をまとめました。
- 読み取ったテキストデータの入力をシステム上に自動入力
- 膨大なデータ入力
- ヒューマンエラーの削減
- 作業時間の短縮
RPAツールと連携すると、文書のスキャンからデータの入力まで一連の流れで行ってくれます。作業時間の短縮だけでなく、ヒューマンエラーの削減にも繋がるのが魅力です。
RPAツールとAI-OCRとの連携は、作業の自動化を推進し、生産性の向上に繋がります。また、人材不足に悩む企業にこそおすすめの組み合わせです。
無料のAI-OCRが使えないって本当?
無料のAI-OCRには制限があり、一部の機能が使用できないことに注意してください。例えば、次のような機能が制限されています。
- 読み取り精度
- 対応するファイル・言語
- データの管理
- 他ツールとの連携
機能制限に使いにくいを感じやすいほか、文字認識精度は低いと言われています。もし使い勝手の良いAI-OCRを探している方は、自社開発を検討してみてください。
AI-OCRを自社開発するメリットとは?
AI-OCRを自社開発することにより業務効率化を目指せます。既存の製品にはないメリットであるため、自社独自の業務フローに適したAI-OCRを導入したい方は参考にしてみてください。
社内システムと連携しやすい
AI-OCRを自社開発すると、既存の製品ではできなかった次のような社内システムと連携できます。
- 文書管理システム
- 会計・財務システム
- CRM(顧客関係管理システム)
- ERP(企業資源計画システム)
すでに複数の社内システムを導入している方は、自社開発のAI-OCRを検討してみると良いかもしれません。
社内の要望や意見を機能として取り込める
自社開発のAI-OCRは、自社のニーズに合わせてカスタマイズできます。
自社開発の場合、開発チームと社内スタッフが開発前に打ち合わせをし、社内の要望や意見を機能として反映できるのが特徴です。例えば「セキュリティを強化して欲しい」などの要望も機能として取り込めるため、社内の要望を反映したい方は、社内のニーズを反映できる自社開発のAI-OCRを検討してみてはいかがでしょうか。
AI-OCRのおすすめ開発会社
AI-OCRの導入を検討されている方のために、おすすめの開発会社を3社ピックアップしました。
SOFTASIA(3ink)
SOFTASIA(3ink)は、開発人件コストを3分の1に抑えられるオフショア開発を提供する企業です。
SOFTASIA(3ink)を利用すれば、日本人より価格の安い海外エンジニアを遠隔でプロジェクトメンバーとしてアサインでき、コストを抑えられます。バイリンガルのエンジニアも在籍しており能力の高い人材を招集しやすくなるため、「コストを抑えたい」「グローバルな意見が欲しい」という方におすすめです。
アクセルユニバース株式会社
アクセルユニバース株式会社は、機械学習を活用したシステム開発において高い評価を獲得している企業です。
例えば、設計図面の基本情報を読み取るシステムの開発など、機械学習分野の実績が豊富であるため「高品質なAI-OCRを自社開発したい」という方におすすめします。
株式会社フュージョンシス
株式会社フュージョンシスはAI分野のシステム開発に特化している企業です。
AIの画像処理を活用し、雑踏の中から特定の顔を見つけ出す顔認識システムなどを開発している企業であるため、画像処理を活用して文字を認識するAI-OCRとの相性が良いと言えます。また、フュージョンシスは「他社に断られた」開発案件も積極的に請け負っているのが特徴です。一度、他社に開発案件を断られた経験のある方は、株式会社フュージョンシスに相談してみてはいかがでしょうか。
AI-OCR開発はSOFTASIAにご相談ください
本記事ではAI-OCRを導入する魅力、開発のメリットについて解説しました。AI-OCRを活用すれば、ペーパーレス化やコスト削減、人材不足の解消へつながります。また、AI-OCRの自社開発は業務フローに合わせてカスタマイズができるのが魅力です。
SOFTASIAではクライアントニーズに合わせたAI-OCRを開発しています。「自社オリジナルのAI-OCRを作りたい」という方は、一度、SOFTASIAにご相談ください。