Python(パイソン)は、プログラミング初心者からプロまで、最も注目を集めている言語のひとつです。また文部科学省では、2020年度から小学校でのプログラミング教育を必修化し、Pythonの需要が国内で徐々に拡大しています。
(参考:文部科学省「小学校プログラミング教育の手引」)
そこでこの記事では、初めてPythonに触れるという方向けに、人気の理由やできること、基本構文、学習方法までわかりやすく解説します。これからPythonを学びたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
なぜ今、Pythonが人気なのか
なぜ今、Pythonは国内で使われているプログラミング言語として注目を集めているのでしょうか。それは「汎用性・学びやすさ・将来性」が揃った今の時代に最適なプログラミング言語だからです。
Pythonはシンプルな文法で直感的にコードを書けるという魅力があり、プログラミング初心者からでも短期間で基本を習得できます。
また、AI・機械学習・データサイエンスといった最先端分野で標準的に使われているのも人気の理由です。実際に日経クロステックが実施した「もっとも使っているプログラミング言語」の調査によりPythonがトップシェアであることがわかっています。

出典:日経クロステック「プログラミング言語利用実態調査2023」
簡単に学べて幅広く活用でき、将来性も高いという3つの魅力をもつことから、小学生のプログラミング言語学習にも活用されているのです。
Pythonでできること・活用シーン一覧
Pythonは、次のように幅広い分野で活用されています。
- AI・機械学習開発
- ビッグデータ・データ分析
- Webアプリケーション開発
- 自動化・スクレイピング
- IoT開発
- ゲーム開発
標準ライブラリも豊富であり、さらにオープンソース(無償提供)で導入できることから、各分野に特化したライブラリやフレームワークを自由に利用できます。参考として活用シーンのイメージをまとめました。
活用分野 | 内容 | 主なライブラリ・ツール |
AI・機械学習 | ディープラーニングモデルの開発 | TensorFlow、PyTorch |
データ分析 | 大量データの集計・可視化 | pandas、Matplotlib |
Web開発 | サイト・APIの開発 | Django、Flask |
自動化・スクレイピング | 定型業務の自動化・データ収集 | BeautifulSoup、Selenium |
IoT開発 | センサー制御・スマートデバイス連携 | Raspberry Pi、MicroPython |
ゲーム開発 | 2Dゲーム制作 | Pygame |
初心者からプロフェッショナルまで学びやすい環境が整っていることから、活用しやすいプログラミング言語として導入が進んでいます。
Pythonの基本構文・よく使う文法
「Pythonはどのようなコードを書くと動くの?」と考えている人向けに、よく使う文法をまとめました。
変数とデータ型(int, str, list など)
Pythonでは、変数の型を明示しないまま、数値・文字列・リストなどの基本データ型を柔軟に扱えます。以下にコードの例をまとめました。
データ型 | 説明 | 例 |
int | 整数型 | x = 100 |
float | 小数型 | pi = 3.14 |
str | 文字列型 | name = "Taro" |
list | リスト(配列)型 | fruits = ["apple", "banana"] |
dict | 辞書型 | person = {"name": "Ken", "age": 30} |
bool | 真偽値型 | is_valid = True |
このように、int(整数)、str(文字列)、list(配列)といった基本型は非常に使いやすく、ほかにもリストや辞書型(dict)を組み合わせて複雑なデータ構造も簡単に表現できます。
条件分岐(if文)と繰り返し(for文・while文)
プログラミングでは「ある条件のときだけ実行」「何回も繰り返す」などの処理が不可欠です。Pythonでは次のような構文を使って条件や繰り返し作業を実施できます。
処理の種類 | キーワード | 使いどころ | 例 |
条件分岐 | if / else / elif |
条件に応じて処理を変える | if 点数 >= 80: |
回数指定の繰り返し | for + range() |
決まった回数だけ繰り返す | for i in range(5): |
条件による繰り返し | while |
条件がTrueの間繰り返す | while カウント < 3: |
インデント(字下げ)によって処理のまとまりを表現するため、初心者でもエラーを防ぎやすいのも特徴です。
関数の定義(def)と呼び出し
Pythonでは、次のようにdefを使って関数を定義することで、何度でも繰り返し呼び出すことができます。
用語 | 意味 | 書き方の例 |
def |
関数を定義するキーワード | def greet(): |
引数(パラメータ) | 関数に渡す値 | def greet(name): |
戻り値(return) | 関数から返す値 | return result |
関数の呼び出し | 定義した関数を使うこと | greet("Yuki") |
関数は「同じ処理を何度も使いたいとき」「処理をわかりやすく分けたいとき」にとても便利です。Pythonの関数はシンプルな構文で書けるので、初心者でもすぐに使いこなせます。
クラスとオブジェクト(OOPの基礎)
Pythonでは「クラス(class)」を使うことで、データと処理をひとつのまとまりとして扱うことができ、より大きなプログラムを効率的につくれるようになります。
# クラスの定義
class Dog:
def __init__(self, name):
self.name = namedef bark(self):
print(f”{self.name}がワンと鳴いた!”)# オブジェクトの生成と使用
my_dog = Dog(“ポチ”)
my_dog.bark() # → ポチがワンと鳴いた!
OOPは難しそうに感じるかもしれませんが「ものの特徴や動きをプログラムで表す」考え方です。Pythonのクラス構文はシンプルで扱いやすいため、初学者でも実例を通じて理解できます。
Pythonの学習ステップとおすすめの勉強法
これからPythonを本格的に学習したいという方向けに、学習の手順をまとめました。
【ステップ1】基本構文を覚える(公式チュートリアル、書籍)
まずは次のような方法で、変数やif文、関数などの「基本構文」をしっかり理解することです。
方法 | 内容 |
Python公式チュートリアル | https://docs.python.org/ja/3/tutorial/ |
書籍 | 初心者向けのノウハウ学習 |
Progate(オンライン学習) | ブラウザでコードを書いて学べる |
基本文法はすべてのプログラムの土台となります。文法が曖昧なまま進むと、あとから応用がきかず挫折する原因になるので、ぜひファーストステップとして学習してみてください。
【ステップ2】小さなプログラムを自分で書いてみる
基本構文を学んだあとは、実際に手を動かして「簡単なプログラム」をつくってみることが大切です。
プログラミングは「見て覚える」よりも「書いて試す」ほうが記憶に残りやすく、その作業の繰り返しでつまずくポイントが明確になります。また、自分でコードを書いて動かすことで、エラーの理解やデバッグの練習にもなるので、スキマ時間にPythonのコードを書く練習をしてみてください。
【ステップ3】ライブラリを使って実践的な開発へ進む
プログラミングの基本が身についたら、Pythonのライブラリを活用して、実際の開発にチャレンジしましょう。
Pythonには、便利な外部ライブラリ(あらかじめ用意された機能のセット)が多数あります。これらを使うことで、複雑な処理を自分で1から書かなくても、簡単に高度な機能が実装できるようになります。
ライブラリを使いこなせば、Pythonの可能性は一気に広がります。まずは1つの分野にしぼって、興味あるライブラリから触れてみてはいかがでしょうか。
もしPythonの使い方をすぐに学びたいならプログラミング教室を利用するのもおすすめです。
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Pythonの学習におすすめの入門書一覧
Pythonを初心者から学習する際には、信頼できる書籍を活用するのも効果的です。以下におすすめの入門書をまとめました。
書籍名 | 対象 |
スラスラ読めるPythonふりがなプログラミング | 超初心者 |
いちばんやさしいPython入門教室 | 初心者〜社会人 |
Pythonスタートブック[改訂版] | 基本からじっくり学びたい人 |
独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで | 文系・独学派 |
退屈なことはPythonにやらせよう(第2版) | 実用重視 |
内容・難易度・学習スタイルに合った1冊を選ぶことで、Pythonの上達スピードが大きく変わります。書店で中身を確認したり、口コミを見たりして、自分にしっくりくる本を選びましょう。
まとめ
Pythonは、シンプルな文法と高い汎用性が評価されており、プログラミング初心者に最もおすすめされている言語です。
AIやデータ分析、Web開発、業務自動化など、多くの実用的な分野で使われており、学ぶ価値が非常に高いスキルですので、この機会にPythonの本格学習をスタートしてみてはいかがでしょうか。