プログラミング言語「Python」を使ってシステム開発を実施したいと考えていないでしょうか。しかし、複数ある言語の中からPythonを選ぶのが正しい判断なのか気になっている方も多いはずです。
そこでこの記事では、Pythonでシステム開発を実施する魅力を解説します。また、Pythonを使った開発の応用事例や注意点も紹介しているので、システム開発の方向性を見きわめる参考にしていただけると幸いです。
Pythonでシステム開発する魅力
プログラミング「Python」を活用してシステム開発を行うことには、合計4つの魅力があります。世界で最も人気のプログラム言語を活用する魅力を詳しく見ていきましょう。
- 導入ハードルが低い
- カスタマイズ・拡張性に優れる
- 高い生産性と迅速な開発プロセスを確立できる
- 大規模システム開発に適用できる
①導入ハードルが低い
Pythonは、プログラミング言語の中でも「導入ハードルの低さ」が魅力です。
親切なインストーラーが設けられていないプログラミング言語は、自身で環境構築やツール導入を実施しなければなりません。一方Pythonは、専用のパッケージのインストーラーが用意してあります。
手軽にPythonの準備を進められることから、初心者でもすぐに開発をスタートできるのが魅力です。最短での開発スタートを希望しているのなら、ぜひPythonを使ってシステム開発を始めてみてください。
②カスタマイズ・拡張性に優れる
Python には、カスタマイズや拡張に役立つエディターが豊富に提供されています。その中でも、使いやすいのが「Emacs」と呼ばれるエディターです。
自分でマクロを作成できるのはもちろん、すべての操作をキーボードで実施できます。また、オンラインマニュアルも提供されているため、初心者でもPython のカスタマイズ・拡張を実施できるのが魅力です。
効率的なシステム開発を実施したいのなら、カスタマイズ・拡張性に優れるPython を採用することをおすすめします。
③高い生産性と迅速な開発プロセスを確立できる
Pythonは、次の理由から「生産性が高い」「開発プロセスを効率化できる」と言われています。
- コード候補が自動表示される
- 1ファイルでテストできる
- コードの可読性に優れる
- 関数をモジュール化できる
- ライブラリの量が多い
操作しやすく書きやすい。それがPythonの魅力です。また、手軽にソースコードを管理できたりテストできたりと、チェックが簡単なのもPythonだから実現できる魅力でしょう。
④大規模システム開発に適用できる
Pythonは小規模開発はもちろん、チームで動かなければならない大規模システム開発にも適用できるのが魅力です。
莫大なデータ(ビッグデータ)を処理するAI開発、データ分析にも適用できるのはもちろん、Pythonのソースコードだけでシステム開発の中に豊富な機能を搭載できます。
また、設定や認知ミス防止に役立つ「Pylance」といった便利ツールを活用できるのもPythonの魅力です。複数人で開発していてもミスやエラーを効率よく防止・改善できます。
Pythonシステム開発を用いた応用事例
Pythonはすでに世界中のシステム開発で利用されている便利なプログラミング言語です。その中でも世間一般に知られている有名な事例を項目ごとに紹介します。
- Webアプリケーションの開発
- CMS(コンテンツ管理システム)の構築
- 社内システム・ツールの開発
Webアプリケーションの開発
Pythonでは、次のようなWebアプリケーションが開発されています。
- YouTube
- Dropbox
- Blender
世界シェアを持つ有名なWebアプリケーションの多くはPythonで作成可能です。収益性のあるサービス開発にも利用できるので、ぜひPythonでWebアプリケーション開発をスタートしてみてください。
AI技術の開発
PythonはAI技術開発の有名なプログラミング言語です。例えば、次のAI活用の技術がPythonによって生み出されました。
- Amazon
- Netflix
どのサービスにも、画像認識やデータ分析といったAI技術が導入されています。ビッグデータを活用した処理機能を持たせたい場合には、Pythonを活用するのがおすすめです。
社内システム・ツールの開発
Pythonを活用すれば、社内システムやツールを開発して次のことを実現できます。
- 単純作業の自動化
- Webスクレイピング
- ブラウザ操作の自動化
- 自動返信
つくり出せる幅は、目的次第です。社内の負担や課題解決のために、Pythonを活用してシステムやツールを開発してみてはいかがでしょうか。
Pythonシステム開発におけるベストプラクティス
これからPythonの導入をスタートするのなら、必ず次の準備を始めましょう。
- コードの可読性・保守性のために開発規約をつくる
- テスト駆動開発(TDD)を導入する
それぞれの理由を詳しく説明します。
①コードの可読性・保守性のために開発規約をつくる
Pythonを複数人で協力して開発するのなら、品質と作業スケジュールを安定化させるために「開発規約(コード規約)」を用意しましょう。ルールを定めずに開発者がバラバラに動いてしまうと次のようなリスクがあります。
- 他者が作ったソースコードを理解するのに時間がかかる
- エラー発生の原因になりやすい
- 不具合を見つけるのに時間がかかる
何かを「つくる」ときには、必ずルールが必要です。余計なことに時間を使わないためにも、ぜひ開発規約(コード規約)を用意しておきましょう。
②テスト駆動開発(TDD)を導入する
テスト駆動開発(TDD)とは、開発前に準備した「テストコード」をベースにシステム開発を実装していく開発手法のことです。例えば次の手順で開発を進めていきます。
- テスト
- 実装
- リファクタリング
- 以下1~3のサイクル
同じ手順を繰り返すことによって、開発の品質を高められます。バグ発見の効率を高めやすいので、ぜひ開発の基本として社内に浸透させてください。
Pythonシステム開発で注意すべきこと
Pythonのシステム開発を実施する際には、次の2項目に注意してください。
- パフォーマンスチューニングを行う
- スケーラビリティの向上を検討する
それぞれ実施しなかった場合のリスクも含めて詳しく解説します。
①パフォーマンスチューニングを行う
パフォーマンスチューニングとは、開発環境のストレージやリソースを割り振って開発パフォーマンスを調整する準備のことです。パフォーマンスチューニングを整えておかないと次のようなリスクがあります。
- 開発進行度合いが人によって変化する
- ストレージ不足により開発の手間が増える
チューニングは、開発の品質維持・向上のために欠かせない行動です。開発をスタートする前に準備しておきましょう。
②スケーラビリティの向上を検討する
開発を実施するのなら、事前にスケーラビリティの向上を検討しておきましょう。なぜなら将来的な負荷を避けて効率の良い開発を実施すべきだからです。
もしスケーラビリティ(拡張性)を考えずに開発を進めるとあとから「処理不足だった」「ユーザー増加に伴い機能不足に気づいた」というような問題が発生するかもしれません。
安全かつ効率的に開発・運用を継続するためにも、必ずスケーラビリティを意識した開発を実施してください。
おわりに
この記事では、Pythonを用いたシステム開発の魅力について詳しく解説しました。Pythonは世界シェアトップのプログラミング言語であり、汎用性に優れた開発に利用できます。
しかし、社内リソースで対応できるか分からない、ノウハウが不足しているため開発できるか不安だとお悩みの方もいるはずです。それなら、Pythonによる開発を外注化してみるのはどうでしょうか。
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