OCRとは?文字認識ができるって本当?仕組みについて簡単に解説

2024.07.24
カテゴリー:開発

 

最近、手書きや印刷された文字をデジタルデータに変換できる「OCR」という技術に注目が集まっているのはご存じでしょうか。OCRを活用すれば、ビジネスの文書管理、日常生活における情報アクセスがスムーズになります。

 

本記事ではOCRの仕組みと性能についてわかりやすく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

 

OCRとは?

 

OCRは、紙やデジタル画面に表示された文字を読み取り、編集可能なテキストデータに変換する技術です。例えば、スキャンされた文書や写真から文字を識別し、デジタル情報として再構築することで文書の検索性を高められ、データ入力の手間を省けます。

 

また近年では、アナログな書類管理から文書のデジタル化に移行する企業が増加中です。書類管理コストを削減できるほか、クラウド環境を整えることで書類管理に必要だった倉庫の維持管理費用を節約できます。

 

OCRとスキャンの違いとは?

OCRとスキャンは、2つとも文書や画像をデータとしてコンピューターに取り込む技術ですが、それぞれ技術に大きな違いがあります。参考としてOCRとスキャンの違いをまとめました。

 

OCR スキャン
目的 データのデジタル化 画像データとして保存
取り込んだデータの活用方法 自由に収集・検索ができる 画像として閲覧できる

 

スキャンは、取り込んだデータを閲覧するために利用する一方、OCRには取り込んだデータの閲覧に加えて、編集できる付加価値があります。OCRは検索性が向上しコスト削減にも繋がるため、スキャンに代わって注目され始めている技術のひとつです。

 

OCR技術とAI-OCR技術の違いとは?

AI-OCRは、人工知能を用いて高精度な文字認識を行う技術で、手書きや印刷されたテキストをデジタルデータに変換する技術です。AI-OCRはOCRを進化させた技術ですが、文字認識精度に大きな違いがあります。

 

まずOCRはあらかじめ定義されたルールやパターンに基づいて文字を認識します。一方でAI-OCRは、人工知能の機械学習の仕組みを活用して、文字の特徴を自動で学習し、より複雑な文字や手書き文字も高精度で認識できるのが特徴です。例えば、AI-OCRは次のような文字を認識できます。

 

  • 殴り書きのような認識困難な文字
  • 枠外にはみ出した文字
  • 斜めに傾いて記入された文字
  • 取り消し線や押印を含む記入

 

従来のOCRの場合、特徴的な文字の認識が困難でした。しかし、人工知能を搭載したAI-OCRが誕生したことにより、特徴的な文字も認識できるようになったのです。OCRとAI-OCRは文字認識精度の高さが異なる技術だと言えます。

 

OCRの仕組みを簡単に紹介

 

OCRを活用したいけど「操作が難しそう」「仕組みがわからない」といった不安を抱えている方も多いでしょう。OCRの仕組みはそれほど難しいものではありません。初心者にもわかりやすくOCRの仕組みを順序立てて紹介します。

 

工程 仕組み
1.画像取り込み 文書をスキャナーやカメラでデジタル画像として取り込む
2.前処理 画像のクリーニング、コントラストの調整
3.レイアウト抽出 画像と文字領域を分離、各文字の形状や線の太さなどの特徴も抽出
4.認識 レイアウトで抽出した文字を1文ずつに分解
5.文字認識 抽出した特徴をもとに、各文字をデータベース内の文字と照合し、最も一致する文字を識別
6.後処理 レイアウト解析で抽出した文字領域を1文ずつに分解
7.フォーマット出力 認識されたテキストをテキストファイルやデータベースとして出力

 

OCRを活用すればビジネスの効率が格段に上がります。OCRの操作は順序立てて理解すれば難しくはありません。OCRに興味のある方は、ぜひ上表を参考に活用してみてください。

 

OCRを活用するメリット

 

OCRを活用するメリットを2つ紹介します。ビジネスの効率化に役立つ情報ですので、書類管理や維持管理コストにお困りの方は、各情報を参考にしてみてください。

 

社内のペーパーレス化を進められる

OCRは紙の文書をデジタルフォーマットに変換することで、社内のペーパーレス化を進められるのがメリットです。例えば、次のような文書をペーパーレス化できます。

 

  • 注文書/請求書
  • 契約書/報告書
  • 会議資料
  • 人事関係書類

 

社内の膨大な文書をデジタル化すれば、編集やバックアップが簡易化してコスト削減につながります。また、ペーパーレス化を進めることにより文書管理に必要なスペースを削減できるのが魅力です。

 

OCRによる社内のペーパーレス化は、書類管理の費用や手間といったコスト面に貢献できる取り組みですので「継続的にかかるコストを削減したい」「膨大な書類管理に手間取っている」という方は、OCRを使ってペーパーレス化を目指してみてはいかがでしょうか。

 

資料検索を高速化できる

OCRでデジタル化した文書は、すべて文字データとして抽出できるのがメリットです。特定の単語やフレーズを瞬時に検索できるため、時間のかかる資料検索を高速化できます。

 

またOCRには自動で資料を分類したり、キーワードを抽出したりと、書類管理に役立つ機能が搭載されているのが特徴です。関連する情報を素早く抽出できることから、業務効率化にも貢献します。

 

OCRを活用することで、膨大な資料の中から必要な情報を見つけ出し、資料検索にかかる時間を短縮できるため「山積みになった書類から情報を探している」「書類をよく無くす」といったことにお悩みならOCRを導入するのがおすすめです。

 

OCRの活用用途

 

「人手が足りない」「資料の管理に困っている」という方に、OCRの活用用途を2つ紹介します。自社の目的に合う活用ができるのかチェックしてみてください。

 

データ入力を高速化する

OCRを活用すれば手作業で行うデータ入力作業を高速化できます。なぜならOCRは文書全体を一度にスキャンしテキストデータとして抽出するため、データを手打ちする必要がないからです。

 

またデータの精度が向上し、人力による二重チェックの手間を省けることから、全体的な作業効率が改善されます。「データ入力に時間がかかる」「入力ミスが多い」とお困りの方は、データ入力が高速化でき、ヒューマンエラーのリスクを減らせるOCRの活用がおすすめです。

 

文書管理の負担を削減する

OCRを活用することで紙の文書や画像データに記載された文字情報をデジタルデータに変換することで、効率的にデータの処理・管理ができるようになります。

 

OCRによってデータ化された文書は、電子ファイルとして保存されるので、物理的な保管場所を必要としません。また、デジタルデータは検索が容易で、欲しい情報を迅速に見つけ出せます。「文書の保管場所がない」「文書管理の負担を減らしたい」とお悩みの方にこそ、煩わしい文章管理の負担から解放してくれるOCRがおすすめです。

 

OCR開発はSOFTASIAにご相談ください

本記事ではOCRの仕組みや導入するメリット、活用用途について解説しました。

 

OCRを活用すればペーパーレス化の推進・文書管理のコスト削減などのメリットがあります。人工知能を搭載したAI-OCRも登場し、OCR技術の需要は高まってきていると言えるでしょう。

 

SOFTASIAではクライアント様のニーズに合わせたOCRを開発しています。「人材不足に悩んでいる」「OCRに興味がある」という方は、ぜひSOFTASIAにご相談ください。

 

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