AIの回答精度が低い!精度を変化させる原因や解決するプロンプトを解説

2025.02.18
カテゴリー:開発

 

AIを活用して情報の出力をしているけれど「イメージするような回答を得られない」「どこか的外れな返答をされる」とお悩みではないでしょうか。もしかするとそれは指示内容に問題があるのかもしれません。

 

そこでこの記事では、AIの回答精度を高める方法を解説します。またAIの回答精度が低い原因も解説しているので、今よりもさらに効率よくAIを活用する参考にしてください。

 

AIの回答精度はプロンプトで左右される

 

近年、ChatGPTやGeminiなど、便利なAIツールが登場しています。そして利用者の多くは「AIに任せれば、何でも回答してくれる」と思ってしまいがちですが、回答の精度は利用者の指示分(プロンプト)によって左右されるとご存じでしょうか。

 

例えば「赤」と答えてほしい場合に、「トマトの色を答えて」と指示を出しても、次のように回答される場合があります。

 

  • 赤色
  • 緑色
  • 黄色

 

なぜなら、AIはそれが完熟したときの色なのか、どの品種の色なのか、といった情報がわからないためです。

 

このように、AIは使い方次第で回答の精度が変化します。正しい情報を回答させるためにも、ぜひ本記事で紹介する回答精度を低くする原因や、回答精度を上げるコツを覚えていきましょう。

 

AIの回答精度が低い原因

 

まずは「AIの回答精度が低い」とお悩みの方向けに、その原因を紹介します。自身のやっている指示と同じものがないかチェックしてみてください。

 

【原因1】主語やキーワードが不足している

AIの回答精度が低いのは、主語やキーワードが不足しているからです。

 

例えば「パソコンのマウス操作を教えてほしい」という状況でありながら「パソコンの使い方を教えて」と指示するだけだと、パソコン全般の使い方が回答されてしまいます。

 

人間も、主語がなければうまく内容や意図を掴めません。AIに対しても、人間と同じように主語やキーワードを交えながら指示を出すのがよいでしょう。

 

【原因2】指示内容が具体的でない

AIへの指示が具体的でない場合にも、回答精度が下がりやすい傾向にあります。

 

例えば、特定の問題の解決策を出してもらいたいとき、問題が起きた背景や状況を伝えなければ、関係のない回答を複数もらうこととなります。利用者側は回答された候補をいくつも試さなければならないため、非効率的な対応をしなければなりません。

 

一方で具体的に指示を出せば、AIが自動で条件を絞り込んでくれます。特に問題解決をしたい場合に抽象的な指示を出している方は、具体性を出すように意識することが重要です。

 

【原因3】参考となる情報を伝えていない

AIの回答精度が低いのは、参考情報を与えていないのが原因です。

 

例えば、特定の順番で回答がほしいのなら、自分から指示文に参考の順番を掲載しなければなりません。また、特定の人物に似た回答をもらいたい場合には、人物の情報を与えることが重要です。

 

AIが勝手に解釈してくれるというのは現状、まだ難しい状況です。自分のイメージを正確に伝えるためにも参考情報を与えるようにしましょう。

 

AIの回答精度を上げるコツ【例文付き】

 

AIの回答精度を上げたい方向けに、すぐに実装できる5つのコツを紹介します。参考として、ChatGPT用に作成したプロンプトの例文も掲載しているの、自分用に書き換えて利用してみてください。

 

【コツ1】最新モデルのAIを活用する

例文を紹介する前に、まず重要なのが、最新のAIモデルを活用しているのかという点です。

 

AIサービスは時が経つごとに最新バージョンが登場しており、回答のクオリティなどが向上しています。そういったなかで古いバージョンのAIを利用しても、期待する回答を得にくい点に注意しなければなりません。

 

最新モデルのAIは有料であることは多いのですが、回答精度を高める第一歩となります。仕事で利用する場合には業務効率化、作業負担の削減にもつながるので、ぜひ最新モデルのAIを活用することからスタートしてみてください。

 

【コツ2】条件や指示項目を分けて記入する

AIの回答精度を高めたいなら、次のように条件や指示の項目を分けて記述するのがおすすめです。

 

【条件】
あなたは〇〇という立場の役職です。
プロという立場で、専門用語を交えながら回答してください。

【参考資料】
以下のURLのような文体で回答してください。
URLを掲載

【質問】
〇〇ができる工程を詳しく教えてください。

 

上記の項目はあくまで一例ですが、項目を分ければAIが内容を見分けやすくなります。非常に人間と似ているので、いくつか項目をつくったうえで指示を出してみてください。

 

【コツ3】あいまいな書き方を避ける(具体的に)

AIの回答精度を高めたいなら、あいまいな書き方を確実に避けましょう。以下に、具体性をもたせた書き方の例を整理しました。

 

【AIに資料の文章のアイデアを出してほしい場合】

[抽象的な例]

〇〇の資料をつくりたいです。アイデアを出してくれませんか?

[具体的な例]

〇〇の資料をつくるためのアイデアを出してほしいです。以下の条件で3つのアイデアを考えてくれませんか?
条件1:文章はですます調にしてください
条件2:1文当たりの文字数は100文字に抑えてください
条件3:〇〇という資格をもつプロの視点で回答してください
条件4:説明の都度、挿入したほうがいい図やグラフを提案してください

 

【AIにプログラミングのコーディングを依頼したい場合】

[抽象的な例]

Pythonを使って、電卓のソースコードをつくってください。

[具体的な例]

以下の条件に基づきプログラミングのソースコードを提案してください。
プログラミングで制作するもの:電卓
デザインのイメージ:シンプル
ソースコードの条件1:無駄なソースコードを極力省いてください
ソースコードの条件2:各コードの重要事項にコメントを残してください
ソースコードの条件3:〇〇のようなソースコードのクオリティを目指してください

 

紹介したのは、あくまで指示の一例です。書き方次第で出力内容も変化するので、少しずつ条件を加えたり、変更したりしながら回答精度を高めていきましょう。

 

【コツ4】AIの役を決める

AIの回答精度を高めたいなら、役割を決めることが重要です。

 

そもそもAIは膨大な情報をインプットした状態で、平均的かつ正しいな回答をしてくれるのが特徴です。そのため、文章の強弱が少なく、読み応えのない回答になりがちです。そのためAIの回答精度を高めたい場合には、次のような役を決めてあげましょう。

 

  • 事業計画を立てたい場合:「あなたは複数の事業を立ち上げた敏腕の経営者です」
  • プログラミングコードを書く場合:「あなたは経験豊富なプログラマーです」
  • 小説のアイデアを出したい場合:「あなたは〇〇(作家名)です」

 

役の決め方は人それぞれですが「その道のプロ」という条件は変わりません。ぜひ自分に関連のあるプロのイメージを役に加えてみてください。

 

【コツ5】NG条件を付けすぎない

前述で「条件を決めつつAIに指示を出したほうがいい」と説明しましたが、NG条件を付けすぎると、AIの回答精度が悪くなってしまいます。

 

例えば「〇〇はしないでください」という条件が多ければ多いほど、AIの回答の選択肢ががんじがらめになってしまうかもしれません。

 

場合によってはNG条件の精度「遠回りな表現しかできない」「当たり障りのない回答しかもらえない」という場合もあるので、NG条件を付けるのはなるべく減らし、やるべきことの条件(OK条件)を付けることをおすすめします。

 

おわりに

AIの回答精度は、利用者の使い方次第で変化します。

 

なかでも指示文(プロンプト)を設ける場合には、条件を付けることはもちろん、具体的な指示を出すことが欠かせません。この機会に人間と同じように扱うことを意識して、回答精度を下げる原因をなくしていきましょう。