ビッグデータとは?身近な例を含めて解説【導入の流れをSTEP形式で解説】

2022.12.12
カテゴリー:開発

  • ビッグデータを導入するとよいと聞くからビッグデータのことを知りたい
  • ビッグデータは身近でどのように使われているのか知りたい

といった疑問や悩みをお持ちでないでしょうか。

企業の事業戦略を打ち出すためのひとつとしてデータを上手に活用することが必須になっております。

しかし、安易にビッグデータを導入すると、返って混乱を招く恐れがあるのです。

この記事では、ビッグデータとは何かを身近な例を含めて解説します。

この記事を読むと「ビッグデータを上手に導入する方法」がわかります。

 

ビッグデータとは

ビッグデータとは企業の価値を高めるデータのことを指します。

価値があるデータを集めることによって、事業の戦略や顧客満足度を高めることができるからです。

ビッグデータには3Vと呼ばれる下記の3つの概念があります。

Volume(ボリューム) 容量 ・数テラバイト〜数ペタバイトが保存可能
Variety(バラエティ) 種類 ・構造化データ(例としてCSV)

・非構造化データ(テキスト、音声、画像や動画など)

Velocity(ベロシティ) 頻度 ・どのくらいの頻度でデータが保存できるか
例として下記のようなものがあります。
SNS:投稿の頻度が高く膨大なデータを即時に保存する
交通系IC:改札を通った時にリアルタイムでデータを保存する

さまざまな形式のデータを大量に保存して、利用するユーザーの満足度を高めることや、企業を成長に導くために活用するものです。

ビッグデータの身近な例

ビッグデータの身近な例として、下記の3つを紹介します。

  • スシロー:フードロス問題の解消
  • ホンダ:走行データをもとにより良い社会を作る
  • ベネッセ:学習データからより良い学び方を研究

順番に解説しますね。

 

スシロー:顧客データを活用してフードロス問題の解消に貢献

スシローは顧客データを活用してフードロス問題の解消に貢献しています。

寿司ネタの皿やPOSレジから10億件以上のデータを収集して活用したからです。

お客様が「何を」「いつ」「どのくらい食べたか」といったデータがわかり、下記のような店舗オペレーションに活用されています。

  • 人気のある寿司ネタをレーンに流せる
  • フードロスになりやすい食品の仕入れを減らせる
  • 鮮度管理が自動化されておりお客様は鮮度が落ちた寿司を食べずに済む

ビッグデータを上手に活用できたため、食品の廃棄ロスが減り、スシローの業績アップに繋がりました。

参考:皿から10億件の情報収集 スシローが「データ活用すし屋」になっていた|ITmedia

HONDA:走行データをもとにより良い社会を作る

HONDAは車の走行データをもとに、地域社会の貢献に役立てています。

走行データをもとに都市計画に利用されるからです。

車を運転したことによって集まったデータを下記のように利用されています。

  • 道路工事するかの判断に目視での確認ではなく走行データをもとに提案
  • 急ブレーキが多発している道路への標識の設置や交差点の見通しをよくする
  • 車の揺れを検知して道路の亀裂を確認して未然に事故を防ぐ

走行データをもとに、まちづくりや事故を減らすという社会貢献にビッグデータが活用されています。

 

参考:「自動車×ビッグデータ」まちづくり・防災に活かすクルマのデータとは|HONDA

 

ベネッセ:学習データからより良い学び方を研究

ベネッセでは、子どもたちの学習データからより良い学び方を研究するために、ビッグデータを活用しています。

子どもたちのデータを大量に集めることで、教育実践に活かせるからです。

ビッグデータを活用する前は、アンケートや観察といった方法で子どもたちのデータを集めていました。

しかし、分析者にとって結果を示すことが難しいという欠点があります。

そのため、教育のデジタル化として下記のような取り組みを行っています。

  • 学習タブレットを導入して学習記録のデータを活用して教育実践を改善
  • 電子書籍の読書履歴をもとにコロナ禍における心の安定に効果があることを回名

学習のデータを使うことで、今まで把握しにくかった学習プロセスが可視化されて、教育の現場で活用されていきます。

 

参考:「ビッグデータを活用した教育研究の取り組み」について|ベネッセ教育総合研究所

 

ビッグデータを上手に導入するための5STEP

ビッグデータを上手に導入するための5STEPは下記のとおりです。

  • 企業の課題の何を解決したいかを明確にする
  • 仮説を立ててデータを収集
  • 収集したデータを加工する
  • ビッグデータの分析手法を活用
  • データ分析はPDCAを回して改善していく

ひとつずつ解説しますね。

企業の課題の何を解決したいかを明確にする

企業の課題の何を解決したいかを明確にするのが大切です。

とりあえずビッグデータを導入すると失敗するから。

ビッグデータを導入して失敗する企業には下記のような特徴があります。

  • データを集めても整理しきれない
  • 顧客情報を正しく取り扱いできずプライバシーの侵害になるリスクが高まる
  • データをまとめたがどう使っていいかがわかっていない

そのため、漠然とビッグデータを導入しないようにしましょう。

仮説を立ててデータを収集

仮説を立てて、どうやったら企業の課題を解決するかを考えてデータを収集しましょう。

なんの課題を解決するかが明確でないと、どのようなデータを集めたらよいのかがわからないからです。

やみくもにデータを集めると、見るのに時間がかかったりと、データ分析が難しくなります。

仮説を設定するのに悩む場合は、現場やお客様の声を聞いてみると、課題を解決するヒントが隠れているかもしれません。

収集したデータを加工する

収集したデータを加工して分析していきます。

集めたデータは不要な情報が多く分析しにくいためです。

テキストや画像などの様々なデータを収集しますが、下記のような状態となっています。

  • 表記が統一されていない
  • 分析に不要な部分のデータがある
  • 重複しているデータ

そのため、扱いやすいようにデータを加工(クレンジング)して、分析しやすいように整えることが大切です。

データを分析する

収集したデータの加工までしたら、ビッグデータを分析していきます。

分析手法は様々なものがありますが、主に下記の5つです。

 

分析方法 分析の概要 使用イメージ
クロス集計 データを属性ごとにわけて、属性の傾向を把握する。 アンケートや世論調査などで集計して、属性ごとのニーズを把握する
クラスター分析 データを分類して集団(クラスター)の特徴を分析する。 集団によってマーケティングの試作を変える

A集団は高級志向であれば、高品質な商品を訴求する

アソシエーション分析 顧客の購買履歴や行動パターンを分析する。 ネットショッピングで「この商品を購入した人はこちらもおすすめです」によく使われている。
ロジスティック回帰分析 さまざまな変数を分析して、質的確率を予測する 顧客がどういう理由で商品を購入するかの可能性を分析できる
決定木分析 決定木と呼ばれる樹形図をもとに予測や検証する 自社サービスを利用する見込みの高い人を調べる

 

何を分析するかによって、適用する分析手法が異なってきます。

データ分析はPDCAを回して改善していく

データ分析はPDCAを回して改善していくのがよいでしょう。

一度、データを分析しただけでは成果がでにくいから。

ビッグデータを分析しても、下記のような理由でうまくいかない可能性があります。

  • 実は仮説が間違っていた
  • データが足りなかった

1度仮説を決めて分析まですれば、ノウハウと経験が蓄積されるので、次の計画ではもっと精度が上がります。

少しずつアプローチを変えていき、課題を解決できるようにしましょう。

 

まとめ:ビッグデータは事業成長させるために活用しよう

ビッグデータは事業成長させるために活用するとよいでしょう。

そのためには、ビッグデータの要素や身近な例を参考にしつつ、あなたが解決したい課題に利用できるか検討してみてください。

ビッグデータを導入する際も、やみくもにやらず仮説を持ってデータを収集しましょう。

解決したい課題に合わせて、データを整えたり、分析手法を使って少しずつ改善され将来の大きな資産になりますよ。

 

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あなたのビッグデータとはなにか、身近な例を知りたかったかたの参考になれば幸いです。