社内で蓄積されたデータを分析して、マーケティングに活用したいと考えていないでしょうか。それなら、Pythonを利用してデータ解析サービス・ツールを作成するのがおすすめです。
この記事では、Pythonで作るデータ解析サービス・ツールの魅力や導入メリットを解説します。また、実際にビジネス分野で活用された事例、導入手順も紹介しているので、データ解析サービス作成の参考にしてみてください。
目次
Pythonデータ解析サービスとは?
莫大なデータ(ビッグデータ)を活用してデータ収集・分析・解析を実施したいのなら、AI開発や情報処理の分野にたけたPythonを活用するのがおすすめです。
Pythonは、複数あるプログラミング言語の中でもデータ解析の構築が得意であり、すでに次のようなサービス・ツールが作成されています。
- CRMツール(顧客関係管理ツール)
- MAツール(顧客マーケティングツール)
- SFAツール(営業支援ツール)
それぞれ、企業が蓄積したビッグデータを読み込ませて、効率よいマーケティングの実施に欠かせないツールばかりです。ただし、提供されているSaaSのWebアプリケーションを導入した場合、必ずしも自社の目的に合致するとは限りません。
そこでおすすめなのが、Pythonを用いてデータ解析サービスを自社作成する方法です。社内用に運用していけるのはもちろん、そのサービスをベースに、データ解析サービスの提供へと展開できるのも魅力的なポイントです。
解析サービスの構築方法については以下の記事で詳しく解説しています。あわせて確認してみてください。
https://softasia.jp/blog/?p=1184&preview=true
Pythonデータ解析サービスを導入するメリット
Pythonを用いたデータ解析サービスを導入するメリットを3つ整理しました。
- スピーディーにデータ処理できる
- 目的に合わせてカスタマイズ・拡張できる
- 可視化したデータを業務に活用できる
なぜPythonで構築するのが良いのか、詳しく見ていきましょう。
①スピーディーにデータ処理できる
Pythonには豊富なデータ処理ライブラリが用意されていますが、そのひとつに大量のデータを高速処理できる「Pandas」があります。
Pandasは、大量のデータを効率よく処理してくれるライブラリです。データの高速処理に対応しているのはもちろんデータ数が増えた場合に起きる処理時間増加を防止できます。
Pythonは、ほかのプログラミング言語よりもスピーディーなデータ処理に対応できることから、データ解析サービスの構築に利用するのがおすすめなのです。
②目的に合わせてカスタマイズ・拡張できる
Pythonには、標準装備である「標準ライブラリ」、後から任意で追加できる「外部ライブラリ」の2種類が提供されています。そのうち外部ライブラリには約30万個もの種類が用意されており、目的に合わせて自由にカスタマイズできるのが魅力です。
ただデータ解析の標準機能を搭載できるだけでなく、自社の悩みや課題を網羅的に解決できるサービス・ツールを生み出せます。「PyPI」というサイトでチェックできるため、どんな外部ライブラリを利用できるかチェックしてみてください。
③可視化したデータを業務に活用できる
Pythonを用いてデータ解析サービス・ツールを構築した場合、ただデータ分析できるだけでなく情報を可視化(図化・グラフ化)できるため、そのまま業務資料として活用できるのがポイントです。
内容を確認しやすいユーザーインタフェースを用意する、資料として利用できる状態にできるまで構築しておくことによって、チームで実施するマーケティングを効率化できます。
ビジネス分野におけるPythonデータ解析の活用事例
Pythonを用いたデータ解析は、すでにビジネス分野に多数登場しています。データ解析の活用事例を3つの目的に分けて詳しく見ていきましょう。
- マーケティング分析の事例
- 顧客セグメンテーションの事例
- 販売予測や需要予測の事例
①マーケティング分析の事例
自社の状況や顧客情報ををすべて把握し、今後の動き方を検討・分析していくマーケティングの中でPythonが活用されています。例えば、次のマーケティング分析が実施されている状況です。
- 単純作業の自動化
- Webスクレイピングによる情報収集
- データの可視化
どの項目もマーケティングを効率化するために重要なものばかりです。担当者の手をわずらわせることなくビッグデータを処理するために、Pythonが活用されています。
②顧客セグメンテーションの事例
顧客の個性を理解し、最適なアプローチを実施する「顧客セグメンテーション」でもPythonを活用できます。
中でも有名なのがRFM分析です。RFM分析では顧客ごとに「最新購買日」「購買頻度」「購買金額」を分析する手法です。どういったタイミングで購入されやすいか、いくらで提供すると売れ行きが良くなるのかといった情報を分析してグラフ化できます。
データ解析サービスを導入する企業では、もっともニーズの高い層により良い商品・サービスを提供されているのはもちろん、今まで取りこぼしていた顧客への対策を講じられています。
③販売予測や需要予測の事例
市場動向や顧客ニーズなどから販売を予測する、検索ボリュームや購買者情報から需要を予測するといったことにPythonが活用されています。
Webの情報を自動で収集しつつ、自社顧客の行動やニーズを分析して将来のことを予測するのが特徴です。人力だけだと把握できない高度な分析を行えるほか、在庫管理やマーケティング分析を実施する事前情報としても活用できます。
Pythonデータ解析サービスの導入手順
Pythonを用いてデータ解析サービスを構築・導入する手順を3つに分けて整理しました。自社構築を実施する際の参考にしてみてください。
①環境構築
Pythonでプログラミングを実施できる環境を整えるために、次の中からお好みのIDE(統合開発環境)を準備しましょう。
- PyCharm|スタンダードなIDE
- Atom|カスタマイズ性に優れる
- Eclipse|国内シェア最多
- VScode|小規模開発向け
利用するIDEによって構築のしやすさ、共有のしやすさが変化します。各HPを参考にしながら、IDEの比較を実施してみてください。
③ツール・パッケージのインストール
環境構築が完了したら、自社のPCにPythonをインストールしてください。Pythonはオープンソースのプログラミング言語であり、無料でインストールできます。
すべての機能が揃ったパッケージも提供されているため、すぐに構築をスタート可能です。
④企画・開発・テスト
データ解析サービスを構築する際には、次の手順で動いていきます。
- 搭載する機能や課題解決の項目を「企画」する
- 企画内容に合わせて「開発」する
- 「テスト」を実施してバグや不具合を取り除く
特に企画は、効率的な構築・チーム連携に欠かせない要素です。必ず土台を固めたうえで開発を進めてください。
社内リソース不足にお悩みなら外注化もおすすめ
データ解析サービスの構築・導入手順を見て「自社で対応できるか分からない」「社内リソースやノウハウが不足している」とお悩みの方も多いはずです。それなら、サービス構築を外注化してみてはいかがでしょうか。
Pythonによるサービス構築は、プロに任せることでスケジューリングやサービス品質を安定化できます。バグや不具合のリスクを避けたいのなら、ぜひ外注化を検討してみてください。
おわりに
この記事では、Pythonを用いてデータ解析サービスを構築するメリットや事例、手順について紹介しました。ただし、自社構築には社内リソースとノウハウが必要不可欠です。
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