【ミャンマーオフショア開発】最新の単価相場とおすすめ企業5選(2022年度版)
ミャンマー人の約90%は仏教徒。温厚な国民性は日本人と通じるものが多く、価値観の相違によるコミュニケーションロスが生まれにくい国です。
オフショア開発において、コミュニケーションのとりやすさを重視する企業にとっては、見逃せないポイントです。
ミャンマーのオフショア開発に注目している企業も多いことでしょう。
本稿では、ミャンマーオフショア開発の特徴と相場を解説した後、おすすめのオフショア開発会社を厳選して紹介します。
目次
ミャンマーオフショア開発の特徴
オフショア開発2021年度版によると、オフショア開発委託先の国別ランキングは次の通りです。
※株式会社Resorz「オフショア開発白書2021年度版」を元に作成
※「指定なし」(全体の65%)を除く
「指定なし」を除いて、ミャンマーは4番目に位置しています。
ミャンマーは発展途上の国で、オフショア開発の事例が少ない状況です。
そのため、現状では多くの企業がオフショア開発先として一歩を踏み出せていません。
ですが、ミャンマーは他国にはない魅力を兼ね備えています。
ここでは、2点ご紹介します。
1つ目は国民性。
ミャンマーは、国民の90%が仏教を信仰しています。自己主張が控えめで協調性が高い国民性は、日本人の価値観と近いです。
オフショア開発での失敗原因は、多くの企業がコミュニケーションロスを挙げます。
価値観が近いことで意思疎通が図りやすく、コミュニケーションロスが生まれにくいメリットがあるでしょう。
2つ目は時差。
各国別の日本との時差は次の通りです。
【日本との時差】
国 | 時差(時間) |
中国 | 1 |
フィリピン | 1 |
ベトナム | 2 |
ミャンマー | 2.5 |
バングラデシュ | 3 |
インド | 3.5 |
ミャンマーは日本との時差が2時間30分で、プロジェクトを遂行する上では大きな支障とはならないでしょう。
国民性と時差の兼ね合いから、コミュニケーションを取りやすいことが、他国にはないミャンマーのオフショア開発の特徴です。
ミャンマーオフショア開発相場
オフショア開発2021年度版によると、オフショア開発における各国別の単価相場は次の通りです。(括弧内の数値は前年比)
人月単価(万円) | PG | ブリッジSE | PM |
中国 | 41.60 (+17.9%) |
73.52 (+51.7%) |
90.42 (+24.4%) |
ベトナム | 36.58 (+24.6%) |
48.64 (+10.4%) |
62.61 (-1.6%) |
フィリピン | 33.93 (+14.7%) |
66.68 (+21.1%) |
73.96 (+2.0%) |
ミャンマー | 27.27 (+1.9%) |
41.15 (-15.6%) |
64.15 (-15.8%) |
バングラデシュ | 23.69 (-6.2%) |
58.94 (+46.1%) |
64.56 (+16.5%) |
インド | 33.36 (-11.2%) |
54.92 (+10.9%) |
77.07 (-6.7%) |
※株式会社Resorz「オフショア開発白書2021年度版」を元に作成
ミャンマーは、PGの単価が安価であることに加えて、ブリッジSEの単価が今回比較した国の中で最安です。
ミャンマーの公用語はビルマ語。ビルマ語は日本語と語順が同じことから、他国に比べて日本語の習得が早く、ブリッジSEが育ちやすいことが背景にあります。
ブリッジSEの単価が安いため、PG、ブリッジSEを両方アサインする場合、他国に比べて高いコストパフォーマンスが期待できます。
ですが、ミャンマーは発展途上の国です。オフショア開発の事例が少ないため、ブリッジSEと面談するなど、委託前には人物をしっかりと評価することが必要になるでしょう。
ミャンマーオフショア開発会社5選
ここでは、ミャンマーオフショア開発会社の中でも、とくに注目度の高い会社を5社ピックアップして、ご紹介します。
①株式会社第一コンピュータリソース
株式会社第一コンピュータリソースは、1969年に設立された国内の老舗IT企業です。2008年に、オフショア開発の拠点をミャンマーに設立しています。
同社の特徴は、オフショア開発拠点の公用語が日本語であることです。国内、現地ともに日本語が堪能なリーダーがアサインされるため、コミュニケーションロスの心配がありません。
なお、同社は基本的に業務システムなどの中規模案件にフォーカスしていて、短納期のシステム開発は基本的にサービス外としています。
設立 | 1969年 |
サービス概要 | ミャンマーオフショア開発 |
拠点 | ヤンゴン、マンダレー |
公式サイト | https://www.dcr.co.jp/ |
②株式会社ブライセン
株式会社ブライセンは、1986年に設立された国内の老舗IT企業です。ベトナム、ミャンマー、カンボジアに拠点を構え、オフショアサービスを開始しています。
同社の強みは、数々のプロジェクトで蓄えられた豊富な開発実績。業務システム開発、Webシステム開発、スマートフォンアプリ開発など、さまざまな案件に対応可能です。各拠点にはコミュニケーター(通訳)が配属されているため、コミュニケーションの面でも安心できます。
設立 | 1986年 |
サービス概要 | ミャンマーオフショア開発 |
拠点 | ヤンゴン |
公式サイト(英語) | https://www.brycen.co.jp/ |
③Tech Fun株式会社
Tech Fun株式会社は、2006年に設立された企業です。現地法人子会社のTech Fun Myanmarに25名のエンジニアが在籍しています。
同社の特徴は、AWS有資格者が多数在籍していることです。AWS関連のサービスが豊富に用意されているため、「AWS関連プロジェクトをオフショア開発でできないか?」と考えている企業にとっては、ニーズに合致した選択になるでしょう。
設立 | 2006年5月 |
サービス概要 | ミャンマーオフショア開発 |
拠点 | ヤンゴン |
公式サイト | https://www.techfun.co.jp/ |
④グローバルイノベーションコンサルティング株式会社(GIC)
グローバルイノベーションコンサルティング株式会社は、2011年に設立されたIT企業です。中国オフショア開発を軸にサービスを提供しています。
同社の特徴は、ホームページに具体的な数値がすべて公開されていることです。エンジニア数、開発実績、日本語スキル、ITスキルまで、オフショア開発を利用する際に気になる情報が一目で確認できます。担当窓口に聞かなければわからない企業に比べて、はるかに安心できる材料となるでしょう。
設立 | 2011年 |
サービス概要 | ミャンマーオフショア開発 |
拠点 | ヤンゴン、マンダレー |
公式サイト | https://www.gicjp.com/ |
⑤株式会社エイブリッジ
株式会社エイブリッジは2012年に設立された企業です。「MBridge」の名称でヤンゴンにオフショア開発の拠点を構えています。
同社の特徴は、ラボ型をベースにしていることです。ラボ型であるため、プロジェクトの規模に応じて必要な人材のみアサインできます。現地採用サービスも用意されているため、柔軟な人材確保が可能です。
設立 | 2012年7月 |
サービス概要 | ミャンマーオフショア開発 |
拠点 | ヤンゴン |
公式サイト | https://abridge-co.jp/ |
ミャンマーオフショア開発の将来性
ミャンマーの公用語であるビルマ語は日本語と語順が同じです。
日本語を習得しやすい背景から、ブリッジSEの単価が安いことが他国との大きな違いです。
加えて、ミャンマーのオフショア開発では、現地のエンジニアが日本語を話せるケースが多い傾向にあります。
オフショア開発において、ブリッジSEは日本語を話せても現地のエンジニアが話せることは稀です。
できるだけ日本語でのコミュニケーションがいいと考えている企業にとっては、ミャンマーは有力な選択肢です。日本語が通じることで親近感も湧きやすいでしょう。
また、今回ご紹介した企業は、ミャンマーオフショア開発で人気の企業をピックアップしています。ミャンマーオフショア開発が気になる方は、まずは今回ご紹介した企業を中心にコンタクトをとって情報収集をすることをおすすめします。