フィリピンは、日本からの英語留学において、東南アジアの中で最も人気のある国です。
オフショア開発においては、ネイティブレベルの英語力を活かして、米国、欧米へのサービスが盛んでしたが、昨今では日本向けのサービスも増えています。
オフショア開発白書2021年版によると、オフショア開発の委託先として、ベトナムに次いで2番目に人気のある国なんです。
そのため、フィリピンのオフショア開発に注目している企業も多いことでしょう。
本稿では、フィリピンオフショア開発の特徴と相場を解説した後、多数あるオフショア開発会社の中でもおすすめの会社を3つだけ厳選して紹介します。
目次
フィリピンオフショア開発の特徴
オフショア開発.COMで公開されている「オフショア開発白書2021年版(以下、オフショア開発白書)」によると、オフショア開発委託先の国別ランキングの中で、フィリピンは世界で2番目に人気の国です。
※オフショア開発.COM「オフショア開発白書2021年度版」を元に作成
※「指定なし」(全体の65%)を除く
人気の理由は次の2つが関係しています。
- 価値観が似ている
- 時差が近い
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
価値観が似ている
フィリピンは、国民の90%が「仏教」を信仰しています。
自己主張が控えめで協調性に長ける国民性は、日本の価値観と近いものがあります。
オフショア開発においては価値観の距離が開発成功のカギを握っています。
過去にオフショア開発で失敗した例を見ると、価値観の違いによるコミュニケーションロスが関係する場合が多くあります。
そのため、フィリピンは、意思疎通が図りやすいオフショア開発向きの国だと言えます。
時差が近い
日本とオフショア開発関係にある国の時差を以下に整理しました。
【日本との時差】
国 | 時差(時間) |
中国 | 1 |
フィリピン | 1 |
ベトナム | 2 |
ミャンマー | 2.5 |
バングラデシュ | 3 |
インド | 3.5 |
ここから分かるように、フィリピンは日本と1時間しか時差がなく、勤務時間のズレが少ないのです。
時差に大きなずれがある場合、生活リズムの違いから効率的なコミュニケーションが取れません。
日本とフィリピンとの「時差の近さ」は連絡時間のズレがなく働けるという魅力を持っています。
フィリピンオフショア開発の相場
オフショア開発白書によると、オフショア開発における国別の単価相場は次の通りとなります。
人月単価(万円) | PG | ブリッジSE | PM |
中国 | 41.60 (+17.9%) |
73.52 (+51.7%) |
90.42 (+24.4%) |
ベトナム | 36.58 (+24.6%) |
48.64 (+10.4%) |
62.61 (-1.6%) |
フィリピン | 33.93 (+14.7%) |
66.68 (+21.1%) |
73.96 (+2.0%) |
ミャンマー | 27.27 (+1.9%) |
41.15 (-15.6%) |
64.15 (-15.8%) |
バングラデシュ | 23.69 (-6.2%) |
58.94 (+46.1%) |
64.56 (+16.5%) |
インド | 33.36 (-11.2%) |
54.92 (+10.9%) |
77.07 (-6.7%) |
※オフショア開発.COM「オフショア開発白書2021年度版」を元に作成
フィリピンは「PG」「ブリッジSE」「PM」が各国の平均値にいるという特徴を持っています。
中でもPGの価格は各国の中でも安価であり、この背景にフィリピンで使用されている「タガログ語」と「日本語」に共通性があることが関係しています。
フィリピンのオフショア開発会社では、日本語教育が行われています。国という境界を問わず、安定したコミュニケーションが図れるため、現在のような価格で技術提供が可能なのです。
ですが、フィリピンは発展途上の国です。まだまだオフショア開発についても発展途上中なので、事前にオフショア開発利用の面談をするといった評価が必要でしょう。
フィリピンのおすすめオフショア開発会社3選
ここでは、オフショア開発会社として世界2位を獲得しているフィリピンのオフショア開発会社を紹介します。
とくに注目度が高い会社を厳選し、3社をピックアップしているので、会社ごとの特徴を見ていきましょう。
①シーワイオーラボ株式会社 CYOLAB Co., Ltd.
「シーワイオーラボ株式会社 CYOLAB Co., Ltd.」は、2022年に海外IT企業の「Sprobe inc.」を子会社とし、ITオフショア事業を開始したクリエイティブに優れる会社です。
東京都中央区八丁堀を拠点とし、フィリピン・セブ島、シンガポール、など幅広い地域で活躍しており、日本拠点を通じて面談を行えるため、安心した利用が可能です。
グループ従業員を200名抱えているなど、余裕のあるリソースが確保されているため、柔軟な業務委託を行えます。
また、当社ではプロジェクト進行を可視化した開発スキームが利用されており、オフショア委託時には離れた場所から業務状況の確認が行えます。
設立 | 2012年 |
サービス概要 | フィリピン オフショア開発 |
拠点 | 日本 東京,フィリピン セブ島,シンガポール |
公式サイト | https://cyolab.co.jp/ |
②株式会社BPOC
「株式会社BPOC」は2018年に設立し、日本向け開発サービスを多数提供しているオフショア開発会社です。
オフショア委託時は、チャットコミュニケーションに日本人スタッフが常駐し、翻訳対応などスムーズなコミュニケーションを図れます。
技術者の経験年数に合わせて委託料金が変動されているなど、ご希望の能力、予算に合わせた人材を紹介してもらえます。
また、「株式会社BPOC」に委託依頼をされた企業がフィリピン・セブ島を視察・滞在する場合には、「おもてなしサービス」としてビザ取得代行やセブ島案内、予約代行など安心サービスが利用可能です。
設立 | 2018年 |
サービス概要 | フィリピン オフショア開発 |
拠点 | フィリピン セブ島 |
公式サイト | https://bpoc.co.jp/ |
③株式会社アールテクノ
「株式会社アールテクノ」は1995年創業の老舗オフショア開発会社です。
東京、大阪、名古屋に事業所を持ち、フィリピンのほかにも多国の拠点でオフショア開発を提供しています。
CAD、CAM、CAEなど技術関係の人材提供に特化しており、高品質な成果提供が期待できます。
ご利用時にはHPより、30秒でできる見積もりシミュレーションが受けられるなど、予算とマッチする会社なのかを簡単に判断できます。
設立 | 1995年 |
サービス概要 | フィリピン オフショア開発 |
拠点 | 東京 各所,ベトナム,インド,フィリピン |
公式サイト | https://www.r-techno.co.jp/ |
フィリピンオフショア開発の将来性
日本のIT従事者平均年齢が40代を超えるのに対し、フィリピンのIT従事者の平均年齢は20代前半となります。
発展途上国でありながらも最先端技術を多く取り入れ、爆発的な発展を見せているフィリピンには、今後も多くのIT技術者が生まれると予想されます。
それに伴い、オフショア開発関連の技術者も増加し、低価格・高品質な委託利用が進んでいくことでしょう。
文化や時差に近い距離を持つというだけでなく、語学学習など円滑なコミュニケーション対策も実施されているフィリピン。
日本を拠点とするオフショア開発会社が多いこともあり、オフショア開発で発生しやすいコミュニケーションロスというトラブルを回避しつつ利用できるので、この機会にご紹介した企業を中心に、コンタクトをとって情報収集してみてはどうでしょうか。