昨今、日本企業でのIT活用が進み、システム開発ができるエンジニアの需要が高まっております。
日本国内では労働人口が減少していくので、「IT人材の確保が難しい」です。
優秀な人材の採用や人材育成のコストが掛かります。
仕事はあるのに、人材不足で「仕事が受けられない」という悩みがありませんか。
そんな時に、導入を検討するのがオフショア開発。
「コスト削減」や「海外の優秀なエンジニア」を確保できると聞きます。
「予算を抑えつつシステム開発」できるなら導入してもよいかもしれません。
しかし、海外のエンジニアにシステム開発をお願いするとなると、システムの「品質が悪くないの」?「コミュニケーションが取りやすいのか」など「不安」がありませんか。
今回はそんな不安にお答えします。
オフショア開発とは何か?オフショア開発にはどんなメリットやデメリットがあるのかを解説します。
また、後半ではオフショア開発でよくある失敗事例、あわせて導入を成功させるコツも紹介しているので最後までチェックしてみてください。
目次
オフショア開発とは?簡単に4つのポイントを解説
オフショア開発とは?なにかを簡単にわかりやすく解説します。
- 海外の会社にシステム開発を依頼すること
- オフショア開発は今後の日本でのシステム開発を支える
- オフショア開発の契約形態(請負契約orラボ契約)は2種類
- オフショア開発とニアショア開発は距離や文化の面で違いあり
一つずつ順番に紹介します。
海外の会社にシステム開発を依頼すること
オフショア開発は、システム開発を海外のシステム会社に依頼することです。
オフショア開発を引き受けている企業であれば、世界中のどこの国にもお願いできます。
国によっては、エンジニア1人当たりの人件費が日本よりも安いことが多く、システム開発に活用する企業が増えています。
しかし、海外の企業に仕事を依頼するので言語やリモートでの仕事といった「コミュニケーション」の面で課題があります。
そのため、日本では文化圏が近いこともあり、中国、インド、フィリピン、ベトナムなどの東南アジアの国々にシステム開発を依頼することが多いです。
オフショア開発は今後の日本でのシステム開発を支える
※出典元を参考に弊社で独自に作成:経済産業省 IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書
オフショア開発は今後、日本でのシステム開発の支えになります。
なぜなら、世の中のIT化が加速してITエンジニアの需要が高まるのに、少子高齢化の影響で日本の労働人口が減少していくからです。
経済産業省の調べでは、2030年にはIT人材が約45万人も不足すると言われています。
そのため、ITエンジニアを確保するのが、今後企業が生き残るための課題。
人材不足が懸念される日本でシステム開発をしていくなら、オフショアの活用が重要です。
オフショア開発の契約形態(請負契約orラボ契約)は2種類
契約の種類 | 特徴 | おすすめのプロジェクト |
請負契約 | ・アサイン期間はひとつのプロジェクトが終わるまで
・成果物の納品まで請け負ってもらう |
ある程度方針が決まっているプロジェクトに最適 |
ラボ契約 | ・アサイン期間は中長期(数ヶ月〜1年)
・自社用のエンジニアチームを作りやすい |
流動的なプロジェクトに最適 |
オフショア開発の契約形態は2種類あります。
プロジェクトの規模や状況によって契約の種類を使い分けるのが重要です。
あなたの会社でどういったプロジェクトにするかを選んでください。
どちらの契約形態が良いのか、見極めてから発注しましょう。
オフショア開発と日本のニアショア開発に距離や文化の面で違いあり
開発の種類 | オフショア | ニアショア |
IT人材の数 | 日本のIT人材より多い | 海外のオフショアより少ない |
セキュリティ | 海外でリモートになるためチェックが難しい | 国内でリモートになるためチェックがやや難しい |
コスト | ニアショアより人件費が低い | オフショアより人件費が高い |
コミュニケーション | ・リモートのため対面でのやりとりが難しい
・海外のためニアショアより話しにくい |
・リモートのため対面でのやりとりが難しい
・国内のためオフショアより話しやすい |
品質 | 作業指示や情報共有をしっかりしないと悪くなる可能性がある | 作業指示や情報共有をしっかりしないと悪くなる可能性がある |
オフショア開発とよく比較されるニアショア開発には距離や文化の面で違いがあります。
ニアショアとは、日本国内で都市部よりは地方のITエンジニアにシステム開発を任せることです。
オフショアと比べると、ニアショアは日本国内の方のため会話しやすいメリットがあります。
しかし、ニアショアもオフショアも、リモートでの仕事です。
非対面でのコミュニケーション、セキュリティが守れているか、および品質の管理できるかが課題。
リモートなので「良好なコミュニケーションを取る」のが、プロジェクト成功の秘訣です。
オフショア開発の4つのメリット
オフショア開発のメリットは4つあります。
順番に解説していきます。
日本の企業に依頼するよりも開発コストを削減しやすい
日本の企業に依頼するよりも開発コストを削減しやすいのがオフショアのメリットになります。
日本企業のエンジニアの平均単価と参考までにSOFTASIAにて依頼可能なオフショアのエンジニアの月単価を比較しました。
ポジション | 日本企業のエンジニア(金額)(※) | SOFTASIA |
PG(メンバークラス) | 約月77万円 | 月20万円〜 |
SE(サブリーダクラス) | 約月90万円 | 月35万円〜 |
PM | 約月118万円 | 月60万円〜 |
※出典元より弊社で独自算出して作成 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会 IT価格相場運営プロジェクト研究成果報告書 積算資料
ポジションによりますが約1/3以上のコスト削減が可能です。
また、日本では約120万円のコストが掛かるPMですが、SOFTASIAでは同レベルで現場歴10年以上ありPMPの資格を取得したPMをアサインできます。
比較的、日本よりも人件費が安い東南アジアのエンジニアに作業をお願いするので、コストを抑えられます。
コストの面でIT人材の確保の課題がある場合、オフショア開発を利用するのがよいかもしれません。
日本で不足しているIT人材を確保しやすい
順位 | 国・地域 | IT技術者数(万人) |
1 | アメリカ | 477 |
2 | 中国 | 227 |
3 | インド | 212 |
4 | 日本 | 109 |
5 | イギリス | 93 |
6 | ロシア | 88 |
7 | ドイツ | 84 |
8 | ブラジル | 75 |
9 | 韓国 | 66 |
10 | フランス | 56 |
※出典元:ヒューマンリソシア「92カ国をデータで見るITエンジニアレポートvol.1」国別のIT技術者数まとめ(トップ10位)」
日本で不足しているIT人材を容易に確保できるのが、オフショア開発での利点です。
日本でIT人材を確保していくのは「人材不足」の観点から、難しくなっています。
2020年にヒューマンソリシアが調査した世界各国のIT技術者数は、日本が109万人で4位にランクイン。
多いように感じますが、現状の日本では人手が足りず「仕事が受けられない」企業があります。
今後、日本の労働人口が減っていくことを鑑みると、需要に対してさらにIT人材の供給が不足していくでしょう。
そのため、インドや中国といったITエンジニアが多い国、IT人材の育成に力を入れている東南アジアの国々にオフショア開発を利用すると、人材不足を解消できます。
海外の技術力がある優秀なエンジニアをアサインできる
国名 | 取り組み |
ベトナム | ベトナム最大手のFPTソフトウェアでは 世界のDXを推進するため、デジタル人材を2024年に15万人育成 |
インド | 2014年にインドのITベンダー大手の Tata Consultancy Servicesと三菱商事が協業 |
海外の技術力がある優秀なエンジニアをアサインできます。
なぜなら、ITエンジニアの教育に力を入れている国が増えているのです。
各国の大手のIT企業が「日本市場を意識」した取り組みをしています。
そのため、日本にいる優秀なエンジニアと近いレベルの技術力があるので、オフショアを活用するのがおすすめです。
中長期的に自社内の開発チームを作ることができる
中長期的にあなたの会社で専門的な開発チームを作ることができます。
長い期間でオフショアを活用すると、システム開発ノウハウが溜まっていくのです。
システム開発を外注する時に発生する課題は、システム開発で得た「ノウハウが溜まりにくい」です。
そんな時は、期間でエンジニアを確保するラボ契約を利用してみてください。
プロジェクトを終えても、ノウハウが溜まったエンジニアを確保できます。
今後、安定的にプロジェクトを回していくなら、ラボ契約にして中長期で「自社内のチーム」を作るのもよいでしょう。
オフショア開発の3つのデメリット
オフショア開発のデメリットは3つあります。
1つずつ解説していきます。
言語の壁がありコミュニケーションがとりにくい
言語の壁があるので、コミュニケーションが取りにくい傾向にあります。
特に、プロジェクトを進めていくうえで、仕様の説明や指示出しが難しいのです。
やはり日本語で会話できないと、日本の方にお願いするよりも、コミュニケーションの「手間」が増えます。
かといって、英語やオフショア先の母国語などでの会話に「自信がない」とうまくプロジェクトを進めるのが難しいです。
ツールや日本人SEのアサインが可能など、日本語でのサポートに定評のあるオフショア企業を選定するとよいでしょう。
距離の問題があり品質管理や進捗管理が難しい
距離の問題があり品質管理や進捗管理が日本で実施するよりも難しくなります。
日本では開発メンバーと対面での確認がしやすいです。
しかし、海外なので非対面で品質をチェックしたり、テレビ会議や資料を共有して進捗管理しないといけません。
そのため、品質管理やプロジェクト管理するツールやサポートが充実している企業を選ぶのがよいかもしれません。
海外のため時差や文化の違いがあり日本と同じ感覚で開発できない
海外のため時差や文化に違いがあることを意識しないといけません。
日本であれば指摘や不具合などがあった際に、依頼しやすく対応をすぐに確認しやすいです。
しかし、「時差の関係」で日本では業務時間内でもオフショア企業は休憩時間のため、早く連絡が取れない時があります。
また、国によって文化の違いがあるので、仕事の進め方で大事にするポイントに「お国柄」の違いがあります。
オフショアの国の文化を知ることや日本の文化も知ってもらい、「お互いが歩み寄る」必要があります。
オフショアにお願いするなら、時差が少ないことや日本に対する理解がある東南アジア圏内がおすすめです。
オフショア開発での失敗事例
オフショア開発での失敗事例は大きく3つあります。
順に解説していきます。
品質が悪く手戻りが多い
品質が悪く手戻りが多くなり、オフショアを導入して失敗したという声があります。
問題は大きく2つあります。
- コミュニケーションの問題
- オフショアのスキル不足
コミュニケーションについては、日本側からの指示が曖昧だったり、しっかり情報共有ができていない場合があります。
技術力が高いエンジニアがアサインされても、指示が不明確だったり、情報が伝わらないと品質が悪くなります。
情報共有や進捗管理できるツールが充実している企業の協力があるとプロジェクトを進めやすいです。
また、オフショアのスキル不足を見分けるには、あなたの会社でテストを作り、オフショアに受けさせてください。
オフショアにテストを受けてもらうと、経歴だけではなくスキルがわかるので、安心して仕事を任せられますね。
橋渡し役(ブリッジSE)の当たり外れが大きい
橋渡し役(ブリッジSE)の当たり外れが大きく、期待していた作業をしてもらえない可能性があります。
あなたとエンジニアのコミュニケーションの間を持つ、ブリッジSEの管理スキルが低いと、オフショアメンバーをマネジメントできません。
システム開発が失敗する可能性が高くなるので、橋渡し役となるブリッジSEにスキルのある人を見分ける必要があります。
良いブリッジSEを選ぶ基準を紹介します。
- 現場での開発歴が長い方(10年以上)
- プロジェクト管理の資格を保持(PMPなど)
しっかり「経験がある人」を選ぶと、システム開発を進めやすくなるのです。
また、現地のブリッジSEとのコミュニケーションに自信が無いかもしれません。
そのような場合、現地にいる日本人エンジニアを選べるオプションがあると安心ですね。
開発での経験や知見が残りにくい
開発での経験や知見が残りにくく、次回のプロジェクトが失敗するという声があります。
オフショアを活用しても、プロジェクトが完了したら、リリースすると開発で培ったノウハウが残らないのです。
そのため、中長期でオフショアと協業するのが大切。
どんなに即戦力のメンバーでも、アサインされた時は、プロジェクトでのお作法やルールなど覚えるのに「どうしても時間が掛かります」よね。
まずは、オフショアとの協業していくために「スモールスタート」してください。
例えば、基本設計までは日本でやり、詳細設計以降はオフショアに依頼すると、だんだんとオフショアに経験や知見が溜まります。
また、今回のプロジェクトを担当してもらったメンバーを次回のプロジェクトにもアサインしてもらうと、段々と「ノウハウが蓄積」されます。
一時的なコスト面だけで判断せず、中長期でオフショアと協業していきましょう。
まとめ:オフショア開発のデメリットや失敗事例を知ったうえで上手にオフショアと協業しよう
オフショア開発は、システム開発を海外のエンジニアに依頼して、日本でのIT人材不足に対処する一手です。
日本人のエンジニアよりも、開発コストが低く、優秀な人材を容易に確保できます。
しかし、距離や言語、文化の違いといった問題が存在するのが事実です。
あなたのほうでもオフショア開発での注意点を守らないと、低品質な開発になりプロジェクトが失敗するリスクがあります。
そのため、オフショア開発する上で選定する基準を持ちつつ、オフショアと協業してください。
あなたがオフショア開発を導入する時の失敗を防ぐ参考になれば幸いです。
とは言いつつも、オフショア企業の選定や実際に導入するのは「不安」がありますよね。
SOFTASIAでは、オフショア開発選びに失敗した企業や悩める企業をお助けしております。
- 「即戦力主義」な開発エンジニアの選定
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