オフショア開発を検討しているのであれば、バングラデシュで行うのがおすすめです。バングラデシュは親日国家なので日本人との親和性が高く、首都を中心に若くて優秀な人材が多いといった様々な特徴があります。
とはいえ、バングラデシュ自体に馴染みが薄い人にとって、本当にバングラデシュはオフショア開発を行うのに適した国なのか気になる人も多いのではないでしょうか。
それでは、バングラデシュはどんな国なのか、オフショア開発におけるポイントやメリット、デメリットなどについてご説明しましょう。
目次
バングラデシュはどんな国?
バングラデシュとはアジア最後の新興国と言われていて、国土は日本の4割前後、人口約1億6000万人が暮らしています。
公用語はベンガル語ですが、基本的に英語であれば通じやすいのが大きなポイントです。
また、あまり知られていないのは、バングラデシュが隠れたIT大国だという点です。バングラデシュには現在約4,500社にも及ぶIT企業が経営されており、近年では毎年8%程度のGDP成長率を遂げているほどです。
バングラデシュには首都を中心にハングリー精神が強い若者が非常に多く、フレンドリーな国民性を持っています。親日国家ということで難なく日本人を受け入れてくれるのではないでしょうか。
バングラデシュでオフショア開発がおすすめできるポイント
バングラデシュでオフショア開発がおすすめできるポイントは、以下の通りです。
- 若くて優秀な人材が多い
- オフショア開発の競合が少ない
- 首都ダッカを中心に優秀なIT人材が活躍している
- 英語でコミュニケーションが取れる
- 日本に比べて人件費が安い
- 親日国家なので日本人に対する懐疑性が低い
以上のようなポイントがあるので、興味がある人は是非ともバングラデシュでオフショア開発を行ってみてはいかがでしょうか。
それでは、バングラデシュでオフショア開発がおすすめできるポイントについてご説明しましょう。
若くて優秀な人材が多い
バングラデシュでオフショア開発に携わっているのは、多くの若くて優秀な人材です。
バングラデシュはインフラ整備が不完全な状態で、政治的にも情勢が不安定な状態でありながら向上心を持つ若者が多くいます。バングラデシュの人たちは元々ハングリー精神が強いからこそ、不透明な状態でも高い向上心を持って仕事にあたることができるでしょう。
オフショア開発の競合が少ない
バングラデシュには若くて優秀な人材がいる以上、その能力に目を付けた海外企業が積極的にバングラデシュのエンジニアを採用しています。
しかし、日本では優秀なバングラデシュの人材を活用しきれていません。優秀な人材を活用しきれていないということは、自社で他企業よりも先に優秀な人材を登用できるチャンスが多くあるということです。
他企業と争わずに安心して優秀な人材を登用できるのは、オフショア開発において他企業よりも成長できるチャンスがあるでしょう。
首都ダッカを中心に優秀なIT人材が活躍している
バングラデシュでは、首都ダッカを中心に優秀なIT人材が活躍しています。
バングラデシュには若くて優秀な人材がいますが、その数は約10万人と少ないと言わざるを得ません。しかし、その人材の多くは首都ダッカに集中しているため、ダッカ単体で見ると世界レベルで通用するエンジニアが多いということになります。
一般的な技術や知識を持ったエンジニアがいるのはもちろん、AIやAR・VRを初めとする高度な技術や専門知識を習得したエンジニアがいるのが大きなポイントです。バングラデシュで若くて優秀な人材の登用を検討しているのであれば、首都ダッカを中心に探すのがおすすめです。
英語でコミュニケーションが取れる
バングラデシュでオフショア開発にあたる時に心配なのが、言葉の問題です。
いかに優秀であってもコミュニケーションが取れなければ質の高い開発ができません。しかし、だからといって相手に日本語を習得してもらおうとするのも失礼なので、相手の土俵に立って業務をこなす必要性があるでしょう。
言語習得の時間が必要になるという点でスムーズに業務ができないのではないかと思うかもしれませんが、バングラデシュの場合はあまり心配はいらないかもしれません。
バングラデシュの公用語はベンガル語ですが、基本的に英語でコミュニケーションが取れるのがポイントです。バングラデシュでは小学校から英語の授業があるので、大学を卒業していてエンジニアとして活躍している人であれば難なく英語で話し合えるでしょう。
英語さえ話せればビジネスチャンスは大いにあります。
日本に比べて人件費が安い
バングラデシュは日本よりも圧倒的に人件費が安いのも大きなポイントです。
バングラデシュの人件費は日本の5分の1だとされており、これからオフショア開発を行う際にコストを気にする企業にもおすすめできます。長くオフショア開発をする場合、度重なるコストを気にする企業も多いでしょう。
コストカットをする上で人件費がかなり抑えられるのはとても大きなメリットです。
親日国家なので日本人に対する懐疑性が低い
日本の国旗は赤と白ですが、バングラデシュの国旗は緑と赤で模様が一緒になっています。バングラデシュは世界でも有名な親日国家であり、日本人に対する懐疑性が低いのが大きなポイントです。
日本人の国民性や仕事に対する姿勢など様々な点で理解してくれることから、非常に働きやすい環境下で業務をこなすことができるでしょう。ビジネスを成功させる上で重要なのは、チームとして一緒に開発を成功させようとする意欲です。
お互いの理解が早まれば人間関係の構築が非常にやりやすくなるので、バングラデシュは早期に結果を出しやすい開発ができると言えるでしょう。
バングラデシュでオフショア開発をするデメリット
一方、バングラデシュでオフショア開発をするデメリットは、以下の通りです。
- インフラ設備が整っていない
- 転職率が高い
- 政治上のリスクがある
- 日本語が通じる人が少ない
バングラデシュでオフショア開発を行うにあたって覚えておきたいデメリットです。これらのデメリットを踏まえた上で、本当に満足に働くことができるのかどうか検討する必要性があります。
それでは、バングラデシュでオフショア開発をするデメリットについてご説明しましょう。
インフラ設備が整っていない
バングラデシュでオフショア開発をするにあたって大きなデメリットとなるのが、インフラ設備が整っていないことです。日本ではインフラ設備がほぼ完璧に整っているので通信環境や電源など、業務を行う上で発生する障害はあまりありません。
しかし、日本で働く環境に慣れていると、バングラデシュのインフラ設備の未発達さを実感することになるでしょう。バングラデシュではインフラ設備が整っていないため、頻繁に通信障害が起きたり電源が落ちたりとオフショア開発の障害になることが珍しくありません。
インフラ設備が整っていない中でオフショア開発を行わなければならないため、多少なりともトラブルに見舞われる可能性があるでしょう。
転職率が高い
バングラデシュは首都ダッカを中心に若くて優秀なエンジニアが多いため、他社からオファーを受けることも少なくありません。エンジニアは自身が成長できる環境かどうか、給与はどのくらいなのか、経営陣が信頼できるかどうかなど、様々な観点から転職する可能性が高いです。
優秀な人材は自分に合った環境下で働きたいと考えるため、企業の意向にかかわらず転職されてしまうと企業の業績にも大きく影響するかもしれません。
会社へ所属するのではなく、フリーランスとして働くエンジニアも多いのも特長です。
政治上のリスクがある
政治上のリスクというのは、選挙の時期に起こる可能性があるホルタルです。
ホルタルとは政府反対運動のことで、あまりにも過激な運動であることからホルタルが宣言されると市民の外出が禁止されます。つまり、選挙の時期はホルタルが起こる可能性があり、なおかつホルタル宣言が行われると企業活動ができなくなります。
こうした政治上のリスクがある中で働くということを覚えておきましょう。
日本語が通じる人が少ない
いくら英語でコミュニケーションが取れるといっても、やはり日本語の微妙なニュアンスでしか上手く伝えられない場合もあるでしょう。しかし、日本でベンガル語を話せる人は非常に少ない上に、バングラデシュでは日本語が通じる人も多くありません。
日本語はもちろん、現地の言葉が理解できない場合だと設計書や仕様書に記載されている内容が理解できず、両者の認識に食い違いが発生する可能性があります。オフショア開発において言語を理解することは何よりも重要ですし、ブリッジSEやPMなどの上の役職を目指すなら、なおさらベンガル語や英語の習得が急務となるでしょう。
バングラデシュの人月単価はどれくらい?
バングラデシュの人月単価は、以下の通りです。
プログラマー | シニアエンジニア | ブリッジSE | PM | |
人月単価 | 23.69万円 | 28.31万円 | 57.94万円 | 64.54万円 |
プログラマーはシステムエンジニアの指示に従ってプログラム開発を行います。
シニアエンジニアはシステム設計や開発を担当します。
ブリッジSEはクライアントとエンジニア側を繋げる役割があります。
PMはプロジェクトマネージャーのことで、担当するプロジェクトの計画と実行を行う責任者です。
大きな責任が問われる、または高度な技術を要する役職になるほど、大変な仕事に見合った給与が得られるでしょう。
ただ、エンジニアの人数が増えているせいか、プログラマーとシニアエンジニアの給与は減少傾向にあるようです。
しかし、ブリッジSEとPMは高度な技術が求められることから人数が少なく、各プロジェクトに必要不可欠なので給与は上昇傾向にあるのがポイントです。
バングラデシュにおけるオフショア開発が失敗しやすい要因とは?
バングラデシュにおけるオフショア開発が失敗しやすい要因として挙げられるのは、以下の通りです。
- マネジメントが難しい
- 人材育成が難しい
- コストカットを狙いすぎる
バングラデシュで働くがゆえの問題もあるため、オフショア開発を成功させるためにも同じ失敗を繰り返さないようにすることが大切です。
それでは、バングラデシュにおけるオフショア開発が失敗しやすい要因についてご説明しましょう。
マネジメントが難しい
バングラデシュでオフショア開発を成功させるために大切なのは、どのような計画なのか、どんな開発を行うのかチームを導くマネジメント能力です。しかし、バングラデシュの開発企業は基本的に小さな案件には対応できても、大きな案件を扱った経験が少ない傾向にあるのでマネジメントに失敗する可能性があります。
若くて優秀な人材が在籍していても、それを引っ張るマネジメント能力を持つ人材がいなければ宝の持ち腐れになってしまうでしょう。
同じ失敗を繰り返さないためにも、日本からマネジメント能力に優れた人材を派遣数rといった方法を行うのがおすすめです。
人材育成が難しい
バングラデシュには首都ダッカを中心に若くて優秀な人材がいますが、首都以外で働くエンジニアが優秀である保証はありません。
全員が優れた技術力を持っているわけではなく、人材育成を行わないととても世界に通用するレベルの技術や経験などが身につかないと言えるでしょう。地方の企業でオフショア開発を成功させるためにも、日本から優れた技術や専門知識を持つ人材を派遣する必要性があります。
コストカットを狙いすぎる
全ての企業の課題とも言えるコストカットですが、あまりにもコストカットに固執しすぎてしまうと、質が低い成果物が量産されることになりかねません。確かにバングラデシュは人件費が安いのでコストカットに最適ですが、質を落とす可能性があることに注意しなければなりません。
自社が求められる水準の質をクリアしつつ、いかにコストを抑えられるかが重要です。クオリティとコストのバランスが取れるかどうかがオフショア開発の成功を左右します。
まとめ
バングラデシュは首都ダッカを中心に若くて優秀な人材が集まっており、発展途上国ながらも優れたオフショア開発ができる環境にあると言えるでしょう。人件費が抑えられる上に親日国家なので日本人も働きやすく、英語でコミュニケーションも取れるなど、ますますの活躍が期待できます。
ただし、バングラデシュはインフラ設備が整っていない上に政治上のリスクがあり、未だ言葉の問題が残っているので注意が必要です。オフショア開発において何が必要なのか、両国がスムーズに協力し合って開発するために何ができるのかを考える必要性があるでしょう。