DX化とIT化って何が違うの?という人も多いのではないでしょうか?
DX化とIT化の違いを理解できれば、
・ステークホルダー(株主・経営者・従業員・顧客・取引先のほか、金融機関、行政機関、各種団体など、企業のあらゆる利害関係者)と会話できるようになる
・社内のDX人材育成の際に知識を提供できる
といったメリットがあります。
本記事では、初心者に分かりやすくDX化とIT化について解説します。
目次
DX化とは
DXとはDigital Transformation (デジタルトランスフォーメーション) の略で、デジタル技術を活用して今までにない価値を社会に提供することを指します。DXはIT化の先にある既存モデルの脱却と、新たなモデルへの変革を目的としています。
簡単な言葉で説明すると、情報やデジタル化を「手段」として、製品・サービス・ビジネスモデルの変革を進めるものです。
IT化とは
IT化とは、テクノロジーを活用した業務の効率化のことです。
簡単な言葉で説明すると、業務効率化などを「目的」として、情報やデジタル化を進めることです。
DX化を行う2つの大きなメリット
DX化のメリットは2つあります。
- 新たなビジネスの創造
- 既存システムを使い続けるリスク回避
一つずつ解説していきます。
メリット1:新たなビジネスの創造
DX化は、新たなビジネスの創造につながります。
例:曜日や時間帯などの条件に応じて、チケット価格を変動させるシステムの作成
→チケット価格を変動させるダイナミックプライシングでは、膨大なビックデータを活用して消費者のニーズに合わせた最適な価格を提供することができます。そのため、利益の最大化につながるというメリットがあります。
このように、DX化は既存業務の効率化だけでなく、新たなビジネスの創造という大きな可能性を秘めているのです。
メリット2:既存システムを使い続けるリスクの回避
既存システムの継続使用には2つのリスクがありますが、DX化により回避できます。
既存システム利用のリスク
- サイバー攻撃やインターネット上に存在するウイルスの脅威にさらされるリスク
- 既存システムの運用保守にコストがかかりすぎるため、IT人材の採用などに投資できないリスク
この2つのリスクを解決するためには、老朽化や破損してコストがかかっている既存システムを新しいシステムや同等の機能をもつ別のシステムに変更することを指します。
DX化を推進するうえで重要な3つのポイント
DXを推進するうえで重要な3つのポイントがあります。
- DX化を推進するIT人材の育成
- ITシステムの構築
- 社内の組織改革
それぞれ解説していきます。
ポイント1:DX化を推進するIT人材の育成
日本のDX改革を進めていく上で、大きな問題になっているのが、「DX化を推進するIT人材が不足している」ということです。そのため、早急に人材を育成する必要があります。
ただ、DXを推進するために必要な知識は幅広く、いくつか列挙すると以下のような知識が必要です。
- 基礎的なIT知識
- データの重要性の理解
- UI・UX志向
DX人材を育成するぞ!と思っても、何から手をつけていいかわからない場合は、中途採用をしたり、社内の人材にITスキルの研修を実施するなどの取り組みが必要になってきます。
ポイント2:ITシステムの構築
DXを推進するためには、各部署でバラバラなITシステムを社内全体で統一することが重要になってきます。では、どのような目線で基幹ITシステムを構築したらいいのかということですが、以下の3つが挙げられます。
- 外部のベンダーにシステム開発を発注する
- 既存の外部システムを新しく活用する
- 自社でシステムを開発し運営する
どの選択肢であっても、外注費用やシステム利用費など、コストがかかることを理解しておきましょう。
ポイント3:社内の組織改革
DXの推進には現場の協力はもちろん、経営トップのコミットメントも必須です。DX成功のためには、経営トップが「DXでどのような価値を生み出し、どのようにビジネスを変革するのか」を明確にすることが重要だからです。
経済産業省の「DX推進ガイドライン」でも経営トップのコミットメントの重要性が指摘されています。
DX化を進めたい!簡単3つのステップ
DX化を推進するには、以下の3ステップが重要になります。
- 目指す姿を明確にする
- 現状を分析し、自社の強みを探す
- 目指す姿と現状のギャップを埋める戦略を立てる
それぞれ簡単に解説します。
ステップ1:目指す姿を明確にする
まずは理想の自社の姿を明らかにしましょう。社内でどのような姿が理想なのかを共有することで、社員全員が目標に向けて行動することができます。
目指す姿が明確でないと、DX化を進めようとコストをかけたのに失敗してしまうこともしばしばです。
ステップ2:現状を分析し、自社の強みを探す
自社の現状を分析し、強みを探すことも大切です。
なぜなら、DXとはデジタル技術とデータを活用した競争優位性の確立を指しますが、簡単な言葉で言い換えると、デジタル技術とデータで自社の強みを拡大することになるからです。
以下のような切り口で自社の現状・強み・弱みを分析しましょう。
- ビジネスモデル
- 製品やサービス
- 業務
- 組織
- プロセス
- 企業風土
具体的にどのような分析を行えばいいかわからない場合は、SWOT分析(スウォット分析)をやってみるといいかもしれません。SWOT分析とは、「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」の頭文字から命名されたフレームワークのことです。
ステップ3:目指す姿と現状のギャップを埋める戦略を立てる
目指す姿と現状を明確にしましょう。その上で、どのような流れでアナログなデータをデジタル化し、そこにどのような技術をかけ合わせていくのか検討し、実行していくことがDX戦略の軸となります。
DX戦略はIT部門が主導したり、事業部門が個別に自部門を最適化するために実施するものではありません。組織文化まで企業内の多岐に渡る分野の戦略となるため、企業戦略の大きな柱として企業の経営者がリードしていく必要があります。
DX戦略は、経営戦略と事業戦略との組み合わせが重要です。経営戦略のもとに、事業戦略があり、その事業戦略のもとにDX戦略があり、デジタル技術とデータを用いて多面的に変革していくのがDX戦略です。
なぜDX戦略をたてて、DX化を進めていく必要があるのかは以下の記事を参考にしてください。
まとめ:DX化はビジネスモデルの変革、IT化は業務効率化が目的
本記事ではDX化とIT化のそれぞれの意味、DX化を進めるための3つのポイントや簡単3ステップでのDX化について解説してきました。
繰り返しになりますが、
- DX化はビジネスモデルの変革が目的
- IT化は業務効率化が目的
と目的が大きく違います。
もしこれからDX化を進めていきたいと考えているのであれば、大きな一歩としてIT化から始めてみましょう。
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